ジーンブックスは2月10日、『アートにできること―その終わりのない思索の旅』(ブライアン・イーノ、ベッテ・A.著/浅尾敦則訳)を刊行した。発売を記念し、3月3日にはドキュメンタリー映画「Eno」の特別上映が行われた。上映後には「Eno」の字幕監修を務めるピーター・バラカン氏によるトークショーが行われ、多くのイーノファン、音楽ファンらが映画とともに楽しんだ。

上映後、トークショーを行うバラカン氏
『アートにできること―』(原題What Art Does: An Unfinished Theory)は、イギリスのアーティストで音楽家のブライアン・イーノとオランダのアーティストのベッテ・A.が共作したアートブック。われわれが「なぜアートを必要とするのか」を出発点に、アートがコミュニティを生み、世界の見え方を広げ、人を変えていく働きを、全編カラーによる大胆なレイアウトとドローイング、文章とともに探究している。
映画「Eno」は昨年7月に日本で一般公開されると、たちまち話題となりチケットの完売が相次いだ。「観るたびに内容が変わる映画の常識を覆す革新的映画体験!」と銘打った同作は、監督のギャリー・ハストウィットがイーノへの長時間にわたるインタビューに、500時間を超えるアーカイブ映像を組み合わせ、アーティストのブレンダン・ドーズと共同開発した自動生成システム「Brain One」(“Brian Eno”のアナグラム)を導入。観るたびに構成や内容が変化する革新的な映画体験を実現した。
今回、東京・新宿区の109シネマズプレミアム新宿で行われた特別上映(提供:東急レクリエーション/ビートインク)には、ジーンブックスの公式サイトから『アートにできること―』を予約購入した人の中から抽選で3人が招待され、プレミアムな体験を楽しんだ。
上映後に行われたトークショーでバラカン氏は「僕は、たぶん6回ぐらいは見ている」と明かし、昨年6月に同映画館で行われた特別上映では、ハストウィット監督とのトークセッションを行ったと話した。バラカン氏は、「今回はこれまでの上映で見慣れている部分と全然見ていない部分の両方があった」とし、「今日は割と音楽ファンが喜ぶ内容になっていた」と振り返った。また、過去の上映にはあったものの、今回生成されなかった部分についてのエピソードも紹介した。
書籍『アートにできること―』については、「映画の中でブライアンが話していることにも関係する」と話し、「アートというのは遊びでもあるんだけれど、もっともっと重要なもので、“アートがなければ生きていけない”と彼は主張している」「この本はとっても面白い!」と観客に薦めた。最後に、観客からの質疑応答も行われ、映画の印象を問われると「見るたびに理解が深まるし、毎回ちょっとずつ違うので飽きない」とし、映画館で繰り返し鑑賞することの魅力について語った。書籍の発売を記念し、複数の映画館で期間限定の再上映も行われた。
□ジーンブックス:海外発の良質なノンフィクション作品を刊行する株式会社ジーンの出版レーベル。主に音楽系書籍を取り扱っており、ジャンルはロック、ジャズ、ポップスなど。その他、現代アートやライフスタイルの本も取り扱う。公式サイト:https://books.jeane.jp/

上映後は、スーベニアショップ「POST CREDIT」で書籍を買い求める人の姿が多く見られた

