株式会社八木書店 アウトレット専門書店「PAGESふかや花園店」 タリーズコーヒーが運営

2025年12月23日

 八木書店は2022年にタリーズコーヒーとのコラボショップとしてアウトレット専門書店「PAGESふかや花園店」をオープンした。軽井沢で19年にオープンしたPAGES 1号店に続く2店舗目で、店舗運営はタリーズコーヒーが行っている。

 

オペレーションはタリーズ

 

 店舗は埼玉県深谷市の「ふかや花園プレミアム・アウトレット」内でタリーズコーヒーが運営する「タリーズコーヒー&TEAふかや花園プレミアム・アウトレットBOOKS CAFE店」内の17坪。書籍エリアは壁面棚といくつかの平台で850~900タイトル、4500冊ほどのアウトレット書籍を陳列・販売している。

 

外に面した窓からは書籍の棚が見える

壁面中心の棚は面陳で展開

 

 店舗のレジ業務や補充品の陳列といったオペレーションはタリーズ側スタッフが行い、商品供給や棚卸などは八木書店側(PAGES軽井沢店)が担当する。

 

 書籍の清算は、タリーズのレジコーナーに光和コンピューターの小型POSレジ「K-POSミニ」を設置して行っている。やはり光和の店舗管理ASPシステム「BookAnswer Ⅳ」を利用することで、ふかや花園店の仕入れは、PAGES軽井沢店から販売・在庫情報をシステムで確認し、八木書店の船橋商品センターに発注。納品された書籍の陳列はタリーズのスタッフが行っている。

 

光和コンピューターの「K-POSミニ」

 

 また、商品タイトルが増えてきた24年12月からは、月に2回程、PAGES軽井沢店から八木書店のスタッフが訪問し、店頭メンテナンスを実施。商品売れ行きや客動向を見ながら、商品の配置替え、ディスプレー変更、季節商品の陳列などを行っている。

 

 「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」で営業するPAGES軽井沢店も、タリーズコーヒーの店舗と隣接し、店内で行き来ができる構造になっている。この関係から、タリーズ側からの提案でふかや花園店のオープンに至った。売上に対してタリーズ側に販売手数料が支払われる。

 

割引率アップでまとめ買い促す

 

 アウトレット書籍は、出版社が再販契約を解除した商品。八木書店が仕入れて書店などに卸している。PAGESは同社初のアウトレット書籍直営店だ。店頭販売価格は旧定価の30%引き程度が多いが、中には50~70%引きの商品もある。

 

 軽井沢店では雑貨なども販売しているが、ふかや花園店は書籍のみを販売。PAGES軽井沢店の赤塚里恵店長はふかや花園店の売れ行きについて「タリーズコーヒーの店内なので認知を広げることが難しい面もありますが、オープン以来、良くなっています」と述べる。

 

赤塚店長

 

 メディアの取材などがあれば来店客が増え、新刊本を安く買うことができることにメリットを感じてリピーターになる客も多い。

 

 売れ筋は児童書。売上の半分ぐらいになるという。同社がアメリカから直接仕入れている児童書を中心にしたアウトレット書籍(リメインダー)も人気だ。平日は年配客が、休日は家族連れが子どものためにこうした書籍をまとめ買いする。

 

 「定価なら2000~3000円以上する“音本”なども、アウトレットなら1000~2000円ぐらいと買いやすい価格なので複数買いが多い。3冊以上買うとアウトレット価格よりさらに10%引き、5冊以上なら20%引きというバリューもつけてまとめ買いを促しているので、複数買いが3割ほどになります」と赤塚店長。

 

 月に1回はタリーズ側スタッフと定例会を開き、商品の動きや客の反応などを共有。売り場づくりに生かしている。

 

「新本を安く買える」認知広げたい

 

 軽井沢店はオープン直後からコロナ禍に見舞われたが、前年比を超え続けているという。ただ、こちらも開店から6年たついまも「まだ認知度が足りません」と赤塚店長。

 

 「いまでも、『なぜ古本ではないのに本が安くなるのか』と聞かれます。特に子どもには新本を渡したいと考える方が多く、新本が安いことにメリットを感じてくれる親や祖父母も多い。新本が安く買えることがもっと知られれば、さらに需要はあると思います」と話す。

 

 同社にとって両店舗は初の小売店。そのため、季節感による商品投入のタイミングなどまだ足りない部分があるという赤塚店長。「歯がゆいところもありますが、売上が伸びているいま、しっかり対策をしていきたい」と前を見据えている。

 


 

PAGESふかや花園店

営 業:9時30分~20時

所在地:埼玉県深谷市花園1番地1800区