
朝日新聞6月8日付「あなたに贈る本」紙面
今年4月からスタートした朝日新聞の毎月第2日曜朝刊に掲載される「あなたに贈る本」は、既刊本にスポットを当て、文化通信社が毎年発行する子育て中の著名人らが児童書・絵本を紹介する『ボクニキミニ こどものための100冊』、著名人や書店・図書館員らが人生の先輩として若者に贈りたい本を選ぶ『先輩の本棚』に掲載されたインタビューや選書コンテンツを提供している。
4月、5月と紹介された作品の出版元によると、「掲載後に通常出荷の5倍になった」や「アマゾンランキングが大幅に上昇した」「商業施設内の書店で動きを見せた」などの声が寄せられている。
6月(8日付)は、ブックディレクターの幅允孝さんが、タイトル「深く 熱い 一期一会 楽しんで」で、本との出合いの楽しさ、読書でしか辿(たど)り着けない心の内側の「深度」についてメッセージを寄せた。
既刊本に再び脚光
幅さんをはじめ、ウェルカムグループ代表の横川正紀さん、陶芸家の岡崎裕子さんが、既刊本(9社10作品)を推薦文とともに紹介している。文化通信社が掲載出版社に掲載後の商品動向を調査したところ、おおむね良好の回答が返ってきた。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』が推薦された時事通信社によると「最近はネット書店で一日数冊の動きだったが、掲載後はアマゾンで20冊以上、楽天ブックスは在庫が不明だが、品切れとなった。新聞を見た人が今後リアル書店に訪れる可能性も考えられる」と期待を示す。
『歴史とは何か 新版』が掲載された岩波書店は「ネット書店は新聞掲載日に、リアル書店も翌日にかけてPOSの反応が見えた。先月に続き、今回もしっかり反響があり安堵している」。『中学生から知りたいパレスチナのこと』のミシマ社も「掲載翌日時点でアマゾン本の売れ筋ランキング(総合)のアップや、ある書店チェーンでの週間売上データが前週比約2倍になるなど反響の大きさを実感している」とそれぞれ手応えを語っている。