
矢幡理事長
東京都書店商業組合は5月27日、東京・千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで第49回通常総代会を開催し、2025年度の予算、及び事業計画、また会員数減少に伴い、総代会から総会に変更する議案について承認した。その後の臨時理事会での役付選挙で、矢幡秀治氏(真光書店)の理事長再任が決まった。
総代会で矢幡理事長は「インターネットやSNSの力が強い時代だからこそ、本や書店の存在が重要。経産省の書店振興プロジェクトチームの設立など、書店を応援する声があがっている」と述べたうえで、再販価格維持契約書ヒナ型第六条(2)「官公庁等の入札に応じて納入する場合」の削除について言及し、「あくまでひな形のため各書店に強制するものではないが、入札を廃止するということで、自治体と値引きなく取引できる状況になった」と説明。
また、同組合は23年度末時に225であった会員数が、24年度末時には216に減少。今後1~2年の間で、総代会の成立条件である201の会員数を下回り、総会制へと変更する可能性が高いことについて、矢幡理事長は「総会になれば、会員は全員参加となる。運営は大変だが、多くの意見を聞き、会員全員の総意をまとめ、組合としての方向性も示しやすくなる」と前向きな姿勢を示した。
今年度の事業計画の説明では、デジタル委員会の取り組みとして、出版物へのRFIDタグ導入について検討・議論する必要性があることが報告された。また、現在97歳の新盛堂・桜内秀吉氏と、磯間書店・磯見光夫に支部功労賞が贈られた。なお総会後の臨時理事会で決まった新体制は次の通り。
〈新役員体制〉
▽理事長=矢幡秀治(真光書店)▽副理事長=平井久朗(ビーブックス)、柴﨑繁(王様書房)、小川頼之(小川書店)▽常務理事=井之上健浩(久美堂)、山邊真次(海洋文具)、田中紀光(明昭館書店)、田中久隆(大和書店)、秋葉良成(江戸川書房)
▽新任理事=菊地陽子(厳翠堂書店)、亀井崇雄(三省堂書店)、橋本博文(丸善CHIホールディングス)
▽退任理事=大橋知広(千代田区)、永井博(末広堂書店)、上地進二(千歳書店)、井上明(駅前の本屋まこと)、田島英治(椿書房)、川原慎一(神代書店)、中川清貴(丸善CHIホールディングス)、亀井忠雄(三省堂書店)