ADKマーケティング・ソリューションズ「Global IP Power Survey 2024 Report 」を発表

2025年5月30日

 ADK マーケティング・ソリューションズ(ADK MS)は、作品・キャラクター(IP)に関する生活者の意識と行動を把握することを目的に、ADK エモーションズと共同で定量調査を実施、「Global IP Power Survey 2024 Report」(GIPS 2024)を作成した。

 

 昨今、作品・キャラクター(IP)の数は年々増加し、選択肢も多様化。それに伴い、単純な視聴・購入にとどまらず、多様な楽しみ方が生まれている。これらの IP には共通して、「生活者との深い関係性」が存在しているとし、日本・北米・インドの3市場を対象に、生活者と IPの関係性を調査。IPに対する“好き”という感情や関わり方、そこから生まれる行動を多角的に分析している。

 

 ADK MSは、IPビジネスを深く理解し、次なる成長戦略を描くうえで、“好き”という感情を捉えることが出発点になると考え、IPへの“好き”の気持ちを4つの視点から読み解いた。調査結果のまとめは以下の通り(一部抜粋)。

 

1.国によって異なる IP の受容性

【世界に広がる IP 人気】

 日本をはじめ世界では IP 市場が急成長しており、世界のアニメ市場規模は24年に300 億米ドルに到達し、37年末までに983億米ドルに達すると推定されている。※1

※1 出典:Research Nester Analytics「世界のアニメ市場調査、規模、傾向のハイライト」(予測 2025-2037年)

 どの国でも約8割強の人(日本83.5%、北米79.0%、インド89.3%)が“好きなIP”を1つ以上挙げ、なかでも日本のIPは各国で多くの人たちに愛されている。

 

 

【各国の文化や価値観が映すIPのとらえ方と接点、課金スタイルの違い】

 IPに対する感情的なつながりでは、日本は「推し活」の影響もあり「応援」、北米では「愛」、インドでは「友達」と捉える人が多い傾向が見られた。交流スタイルにも違いがあり、日本ではオフラインで交流を行う傾向が強いが、北米・インドではオンラインでの積極的な発信が主流。こうした違いの背景には、各国に根づく価値観や文化的背景が影響していると考えられる。

 

<各国の大人(15-59歳)におけるIPとの関わり方比較>

 

2.“好き”のタイプと楽しみ方

【価値観をベースに関わり方のタイプを明らかに】

 

 

 作品・キャラクターへの意識と性格価値観を、クラスター分析を用いて大人・子どもそれぞれ6つのタイプに分類。クラスターごとの価値観・傾向を分析し、世の中における作品・キャラクターの広がり方の構造を下記のようにとらえている。

3.個別 IP の“愛され方”分析

【IPマーケティングやタイアップ施策の考案のため個別IPの現在地を分析】

 IP意識/行動比較でIPの出自ごとに異なる特徴が見られることは、IPマーケティングを行ううえで個別IPの現在地を分析することの重要性を示している。

 

 

 性年代別での“好きなIP”の第一想起状況、ファネル状態の分析、当該IPへの関わり方等から、IPの現在地を把握。

 

 

4.IP ビジネスにおけるファングロース戦略

 IP の持続的な成長のためには、さまざまな観点での“好き”のかたちの違いを踏まえることで「好きな人」を増やすことはもちろん、その先の行動(課金・推奨)まで設計する必要がある。

 

<ファングロース戦略図>

 

 IP ビジネスにおけるファングロース戦略の策定には、IPごとに大きな違いのある「ファン構造」を捉えることが必要不可欠とし、ADK MS は、市場における「浸透」とファンの「熱量」の2軸から、IPを以下の4型に分類し、型ごとに状況を可視化した。“好き”の気持ちを高めて“行動”させ、ファンの熱量を起点に新たなファンを獲得・育成し、ビジネスをグロースさせていくことが、ADK MSの考える“IPビジネスにおけるファングロース戦略”としている。

 

<IP ファン構造 4 分類>