
デモンストレーションする盲導犬(毎日新聞社提供)
毎日新聞社と、視覚障害を巡る社会課題の解決を目指す非営利共同事業体「ビジョン・コンソーシアム」による共催イベント「点字考案200年視覚障害者の世界を体験する」が、4月19~24日まで大阪・関西万博で開かれた。
視覚に頼らないゲームや宝探しをミックスした歩行体験、パラスポーツ体験など「見えない」「見えづらい」世界を視覚障害者と楽しみながら学べる多彩なコンテンツを用意。会場の「ギャラリーWEST」には、目隠しをして白杖と仲間の声を頼りに、点字ブロック状のシートを用いた〝迷宮〟を探検する「ノービジョン・ダンジョン」、映像を使わず音だけで遊ぶゲームをそろえた「オーディオゲームセンター」など、さまざまなコーナーを展開した。

トークショーの様子(同)
初日の記念トークショーでは、コンソーシアムでアドバイザーを務める中途失明者の石井健介さんらが出演。見える人と見えない人をつなぐブラインド・コミュニケーターとして活躍する石井さんは「見えないことは大変なこともあるが、面白いこと、楽しいこともあることを知ってほしい」と呼びかけた。
フランスで点字が考案されてから今年で200年。体験イベントに加え、点字の歴史や毎日新聞が発行する国内唯一の点字紙「点字毎日」の歩みを紹介するパネル展示のコーナーにも多くの人が訪れ、熱心に見入っていた。また、視覚障害者らの生活向上のために開発された、日本発のインクルーシブデザインを紹介するコーナーも設置。雨滴音を軽減して周囲の音が聞き取りやすい傘や、裏表や前後を気にせず着用できる服、シリコーンゴム製のロックグラスや点字新聞のアップサイクル製品などを展示した。