JPIC 「BOOK MEETS NEXT2025」説明会 今年もイベントのプロデューサー公募

2025年5月8日

 「BOOK MEETS NEXT」事務局を務める出版文化産業振興財団(JPIC)は4月30日、東京・千代田区の出版クラブで説明会を開き、10月25日から11月23日に実施する「BOOK MEETS NEXT2025秋の読書推進月間」と、5月開催の「上野の森親子ブックフェスタ」、今夏に実施する「被爆・終戦80年」ブックフェア等についての企画説明会を開催し、会場とオンライン合計で約300人が参加した。

 

プロデューサー制を継続実施

 

 「BOOK MEETS NEXT」では昨年、オープニングイベント、TOKYO BOOK NIGHT、地域イベントなど101企画を実施。また、全国の書店で開催する「イベント一覧」を掲載したランディングページには、3104書店のイベント7182企画を掲載した。

 

 今回も昨年導入した企画を立案し、運営を行うプロデューサーを公募するプロデューサー制を継続。TOKYO BOOK NIGHT、及び地域イベントの企画・運営を行う各プロデューサーを募集する。5月30日まで受け付けており、書店、出版社、一般企業などから広く公募する。ただし単独書店、単独チェーンでの申し込みはできず、企業や自治体、大学、地域メディアなどと連携した地域横断型の組織体制であることが申し込み条件となる。イベントの企画・運営にあたっては費用の一部を事務局が支援する。

 

 今回、新たな試みとして、参加書店のオリジナルブックカバーをカプセルトイとして販売する「ブックカバーカプセル」も実施する。取引条件は買切りで、店頭販売価格は400円。最低発注ロット2袋100個・卸値2万4000円から受け付けており、提供されるカプセルトイには、自社・自店以外のブックカバーカプセルが均等に含まれる。なおカプセルトイを販売する機器は1台あたり期間中2万円での貸し出し、もしくは価格4万5000円で販売する。

 

 そのほか書店が3000円で参加できる「最強王図鑑」シリーズ(Gakken)を対象とした書店有料型の店頭フェア企画や、店頭飾り付けコンクール等の出版社特別企画、「本の日」ブックカバー大賞なども実施するほか、読書会開催の補助や、「本の日」記念イベント助成金獲得企画として10月11日から12月15日の期間に行う店頭イベントへの上限5万円の助成金を予定。また、「秋の読者還元祭」について日本書店商業組合連合会(日書連)と企画内容を検討している。

 

 7月実施予定の「被爆・戦後80年」ブックフェアでは、一般書・児童書・コミックの3ジャンルで商品リストを作成し、参加出版社は共通POP等の拡材制作費として1点あたり税別5000円を負担する。出版社のエントリー締め切りは5月21日までで、展開開始は7月中旬を予定。店頭での展開に合わせ、図書カードNEXT2000円を200名に贈る購入者プレゼントキャンペーンに加え、全国紙連合広告も実施する。

 

高井会長、近藤理事長が国際BF開催に言及

 

 企画説明会で冒頭あいさつに登壇した運営委員長を務める紀伊國屋書店・高井昌史代表取締役会長は、「BOOK MEETS NEXT」の活動内容や指針について触れたうえで、11月5日・6日に開催する「TOKYO RIGHTS MEETING (TRM)2025」について「海外の出版社を積極的に招聘し、昨年よりも規模を拡大して開催する。コミックに代表される国内のコンテンツが世界中で支持されており、日本の優れた出版文化が世界に広がり、また世界の優れたコンテンツも日本に入ってくる。出版文化の発展が日本と世界を結び、出版業界の成長の先に、世界の平和とより良い社会が実現されれば、これほど喜ばしいことはない。TRM 2025の成功を布石とし、その先にある国際ブックフェアの復活が目標」と語った。

 

高井氏

 

 続いて登壇した実行委員長を務めるJPIC・近藤敏貴理事長(トーハン会長)は、「書店振興への関心が、かつてないほど高まっている。昨年11月22日に閣議決定された総合経済対策としての書店活性化プランが5月には具体策が発表される。良い傾向ではあるが、それ以上に読者を育てることが何よりも大切。BOOK MEETS NEXTはそのための取り組みで、未来を変えるために業界として一丸となる必要がある。今回は“平和をつなぐ”をテーマに、戦後・被ばく80年ブックフェアやイベントなども実施する。文化だけではなく、歴史をつなぐことも書店の使命」と強調。

 

近藤氏

 

 また、TRM 2025については、BtoBのブックフェアで国内コンテンツを海外に発信していく必要性に触れたうえで、「一方、BtoCで多くの読者を招き、本を販売することも国際ブックフェアの流れで、欧州でもアジアでも拡大している。子どもたちがそこで本をたくさん買うことが、将来的に読書人口を増やすことにつながる」と語った。