あさ出版 今年も「社会人の夏期講習フェア」 書店に合わせてカスタマイズが好評

2025年5月2日

 あさ出版が毎年夏、全国の書店で展開している「社会人の夏期講習フェア」の受注が今年も始まっている。ビジネスパーソンに読んでもらいたい同社おすすめの新刊・既刊10冊をピックアップ。書店の希望に合わせて数冊からでもカスタマイズできること、オリジナルPOPや帯でジャンルを超えて統一感を出せることなどが好評で、参加する書店数も年々増えている。「夏の風物詩」として認知も広がっており、7月から9月にかけてビジネス書などでしっかりと売上が取れることも展開が広がっている理由だ。【増田朋】

 

「社会人の夏期講習フェア」の書店での展開事例

 

著者が夏期講習の「講師陣」に

 

 「夏期講習」と言えば学生の専売特許だが、2011年に予備校講師の新刊を出すにあたって〝社会人向け〟と銘打ったのが始まりのきっかけ。仕事やスキルアップ、試験、資格から趣味、自分磨きまで、ビジネス書をはじめ、さまざまなジャンルの書籍を出すあさ出版ならではのフェアとして続いてきた。

 

 幅広いジャンルを扱っているだけに著者の顔ぶれも多彩。そんな彼らが夏期講習の豪華な〝講師陣〟として名を連ねるのも魅力だ。「著者の皆さんも、このフェアの時だけ予備校の講師っぽく振る舞えることを面白がってくれる。著者自身がSNSなどで拡散してくれることも、フェアが盛り上がる特長のひとつ」(木内準取締役営業統括)という。

 

 あさ出版が選ぶおすすめの10冊は、その年の時流に合わせて選んでいる。今年も『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』や『ずるい考え方』など、このフェアをきっかけに社会人が手に取りたくなるようなラインナップを用意している。

 

 

オリジナルPOPや帯でジャンルを超えて統一感を出している

 

 

昨年は全国150店舗で展開

 

 昨年は全国の約150店舗で展開した。営業部の永堀寛明氏は「『社会人の夏期講習』というネーミングも好評で、書店の大小にかかわらず、冊数も期間も柔軟に対応できるのがこのフェアの強み。統一の帯を巻けば、ビジネス書以外でも夏期講習にふさわしいタイトルもたくさんある。そういったメリットを認めていただいて、参加する書店数も年々増えている」と話す。

 

 木内取締役も「夏休みは(若者向けの)文庫で盛り上がっているところに、単行本でより単価をあげられるフェアとして、夏の定番へとさらに成長させていきたい。各書店にあった銘柄も提案できるので、興味がある書店さんはぜひ当社の営業部までお問い合わせを」と呼びかける。

 

 夏期講習は現在、7月の搬入に向けて書店からの受注を受け付けている。ただ、タイミングが合わなければ「秋期講習」「冬期講習」というスピンオフのフェアも用意できる。「パッケージとして実績があるので、それを少し入れ替えるだけで続けていける。また、既刊本でも『〇〇講習』の一冊にうまく当てはめれば、もう一度日の目を見るチャンスにもなり、著者にもメリットがある」(木内取締役)。

 

 

 永堀氏も「1年半ほど前に出版した学参『マンガでわかる!読解力を10日で上げる方法 ~中学受験国語カリスマ講師直伝~』も、普通はビジネス書の棚には並ばないが、夏期講習のフェアに入れてから動きが良くなった」と成功事例を語る。

 

 何かを学びたいというニーズに対して、誰もがユーチューブなどで無料で簡単に情報を得ることはできる。そんな時代だが、「若いころ、塾や予備校に自発的に通いながら、得意な分野を伸ばしたり、苦手な科目を克服してきた人は多いはず。本当に自分のためになることは、無料で手軽に手に入るものではない」と木内取締役。「書店には信頼に足る著者が書いた良質な本が並んでおり、その中から自ら選んで、お金を出してその本を買う。それは無料で得られるものとまた違って、自分の財産となり、本当の学びにつながっていく」と、フェア開催の意義をあらためて考えている。