【セルフレジ特集2023】文献社 書店webをプラットフォームに書店DXデジタル変革を支援 人と情報・サービスを共存・連携へ

2023年3月14日

 文献社(本社:岐阜県羽島郡)が書店向けPOSレジ機器の提供を開始したのが1991年。その後、数多くの実績を重ねるとともに、市場動向を踏まえて約3年前にセルフレジの開発に着手。当初、売上登録は店舗スタッフが行い、支払いは来店客が行うセミセルフ式でスタートした。

 

 その後、売上登録の段階から来店客が行うフルセルフ式のレジも開発・提供を開始し、現在は有人式標準レジ、対面式セミセルフ・フルセルフ(いずれもつり銭機付)、セルフ精算式セミセルフ(精算機1台または2台)というラインナップになっている(5年リース、設定設置等初期費・機器保守費等別途)。さらに、サインポスト社開発の「ワンダーレジ」を採用し、複数の購入商品を商品台の上に置いて一度にバーコードを読み取って売上処理を行うレジシステムも開発するなど、バリエーションを増やしている。

 

 宮下恒昭システム営業部長は、文献社のセルフレジの特色として縦型モニターによる省スペース性・スムーズな操作性とともに、モニタリング機能の強化を挙げる。例えば、これまで3台の有人レジをカウンターに設置していた店舗がその内2台をセルフレジに転換し、カウンターの外に設置したとする。そのセルフレジがその時々どのような状態なのか、端末から確認できるのだ。顧客の操作状況やレシート用紙・釣り銭の補充の必要性などを、スタッフが手元で確認できる利便性は非常に大きい。

 

 そして、セルフレジ導入によってレジ業務に必要な人数が少なくなった分、接客サービス、あるいは売り場づくりや品揃え充実のために時間と人を割くことができる。それが来店客の増加や売り上げに結びついたことを、実際に導入した店舗の成果として伝えられたそうだ。

 

 宮下部長は今後、「書店web」・セルフレジとの連携による“書店のDX(デジタル変革)提案・支援サービス” の提供を進めていきたい、とする。同社のクラウドシステム「書店web」はセルフレジと連携、売上情報の即時集計・全店でのデータ共有といったベーシックな機能はもちろん、デジタルサイネージやポイント付与などの顧客サービスにも使用できる。

 

 また、外商での売掛の取引にも対応。取引先に認証カードを発行、買上データをまとめて請求するレジ機能を利用できる。さらに一般の顧客についても、書店webをプラットフォームにしたECサイトやスマートフォン用アプリを構築し、そこから予約することでスムーズな注文を可能とする。売上登録(有人レジでスタッフが行う/セルフレジ・ECサイト・アプリのいずれかで顧客が行う)・精算(事前にECサイトかアプリで行う/店舗で有人またはセルフレジで行う)および受け取り(店舗/配送)もそれぞれ顧客の都合に合わせて選択できる。

書店DXデジタル変革を提案 文献社のサムネイル

注文品受け取りの選択肢を増やす

 

 今後さらに進めていきたいと宮下部長が語るのは、受け取りの選択肢を増やすこと。QRコードに対応するスマートロッカーを店舗の外、例えば郊外型の店舗であれば駐車場のスペース等を活かして設置し、そこに注文商品を入れることで365日24時間の受け取りが可能となる。こうしたさまざまな面でDXを進めて自動化・業務改善を図ることで、書店・顧客双方の利便性を高めていくことができるだろう。

 

 最近では電子情報取引についての相談や、文房具や雑貨といった書籍以外の商品は各地域での取引となるため、システムもバラバラであるといった課題も多い。宮下部長は「それを一つにまとめるようなデジタルのハブとして書店webを発展させていきたい。より簡便に利用できる方法でカバーすることは可能だ」とする。セルフレジを含めたサービス全体の今後の発展性に期待したい。

 

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