ポプラ社刊行の『かがみの孤城』が映画化 けんごさんら招いてトークショー

2022年12月20日

 

原作小説のファンとともに記念撮影するけんごさん(前方右から3人目)とポプラ社の吉田氏(同4人目)

 

 ポプラ社から刊行され、18年本屋大賞を史上最多得票数で受賞した辻村深月さんのベストセラー小説『かがみの孤城』──。子どもから大人まで幅広い世代に読まれ、累計発行部数は170万部を突破した人気ファンタジーミステリーだ。この本を原作としたアニメーション映画作品「かがみの孤城」が、12月23日から全国公開される。それを前に12月14日、原作小説ファン限定の特別試写会が東京都内で開かれ、終了後に小説紹介クリエイターのけんごさんと、原作の担当編集者であるポプラ社・吉田元子氏のトークショーが行われた。

 

 「学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた」

 

 ポプラ社ではこの本を、「すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。」と薦めている。これまでコミカライズや舞台化など、多くのメディアミックスがされてきたが、劇場アニメ化することが決まった。

 

 

 

原作は幅広い世代から支持

 

 試写会終了後に登壇したけんごさんは、「自分のフォロワーにも『かがみの孤城』が大好きだという人が多く、特に中高生からよくコメントやDMをいただく」と紹介。吉田氏も「辻村さんのファンは10代から30代が多かったので、本を刊行するときはまず彼らに届けたいと思った。ただ、刊行後は7歳から93歳まで幅広い人に読まれていることも分かり、うれしかった」と語った。

 

 また、吉田氏は「中学生から『この単行本を学校に持っていって、御守り代わりにしている』とのうれしい言葉をもらった。文庫が出てからも、多くの人に単行本を手にとってもらっている。たぶん誰かにプレゼントにしたり、図書館などで読んでから『自分のものにしたい』と思って、買ってくれているのでは」と喜んだ。

 

 映画の全国公開を前に、けんごさんは「今はネットフリックスなどで、どこでも気軽に映画を楽しめる。しかし、(試写を見て)この作品はぜひ映画館で見てほしいと思った。そして、普段はあまり映画館に足を運ばない人にぜひ見に行ってもらいたい」と、吉田氏も「主人公のこころは中学生だが、この作品はどんな世代の方にも自分の物語だと思ってもらえる。ぜひご家族やご夫婦、友だち同士で見に行ってもらえるとうれしい」と呼びかけた。