図書出版・論創社 創業50周年記念「論創ミステリ大賞」 三咲光郎氏『刻まれし者の名は』に決定

2022年11月11日

 図書出版・論創社は11月1日、1972年の創業から50周年を記念して長編の「論創ミステリ大賞」を募集、このほど大賞に三咲光郎(みさき・みつお)氏の『刻まれし者の名は』を選んだと発表した。また、最終候補作5編も同時に発表した。

 

 「論創ミステリ賞」は、自作未発表のオリジナル作品であればプロ・アマを問わず、広義の長編ミステリを公募した。9月の締切後、わずか1カ月で発表することでも話題になったという。

 

 「論創ミステリ大賞選考委員会」(委員長:ミステリ評論家・横井司氏)には全68作品の応募があった。論創社内で10作品の第1次予選通過が決定。続いて、選考委員会で大賞1作品、5作品の最終候補作を選んだ。大賞には記念トロフィーと賞金100万円を贈呈。来年1月の刊行を予定。

 

 同社ではこれまで、国内ミステリ(11月現在129巻)、海外ミステリ(同289巻)と数多くの作品を世に送り出してきた。「今回は現代ミステリの新たな発掘と位置づけた挑戦が実を結んだ」としている。

 

 受賞者の三咲光郎氏は、1959年大阪生まれ。関西学院大学学部卒業後、高校の教職に就くかたわら小説の執筆を開始。93年に堺市自由都市文学賞、98年「大正四年の狙撃」でオール讀物新?賞、2001年に『群蝶の空』で松本清張賞を受賞。著書に『銀河のひややかな瞬き』『忘れ貝』(文藝春秋)、『砲台島』『月と陽炎』(早川書房)、『死の犬』(角川書店)、『特務機関ラバーズ』(徳間文庫)など多数。

 

 最終候補作は次の通り(順不同)。▽「真相崩壊」小早川真彦氏▽「真夏のデルタ」根本起男氏▽「Mの悲劇」高原伸安氏▽「薊の審判」木田洋二氏▽「千年捜査」安斉幸彦氏