伊野尾書店、オリジナル文庫フェア「中井文庫+」を開催中

2022年9月16日

頒価110円(税込み)の小冊子。商品購入者には無料で提供。

 

 

 都営大江戸線・中井駅(新宿区)前の伊野尾書店は、オリジナル文庫フェア「中井文庫+(プラス)2022」を9月1日~10月30日の期間で開催している。

 

 同フェアは書店の利用客に向けて、著名人や出版関係者、中井で経営する個人事業主らが、おすすめの書籍を紹介する小冊子(1冊110円、商品の購入者は無料)の頒布、また紹介書籍を展開する施策。14年から17年まで続け、一旦の休止を挟み、昨年21年に再開し、今年で第6回の開催となる。

 

 同フェアは店長の伊野尾宏之氏が、著名人や出版関係者などがおすすめする文庫・書籍を紹介するオリジナルの企画で、本を手に取ってもらう機会を作ろうと8年前に考案。同じNET21加盟書店の往来堂書店(文京区)が頒布している、読書家たちが本をおすすめするコメントをまとめた小冊子「D坂文庫」を参考に、「中井文庫」の頒布を始めたという。

 

 伊野尾店長は当初、中井に縁がある人や出版業界関係者などに声をかけ、第2回以降からは多くの著名人も参加。今回の「中井文庫」には、女子プロレスラーの里村明衣子氏や、「クリープハイプ」ボーカル・ギター担当の尾崎世界観氏、芥川賞作家の今村夏子氏らが参加しており、伊野尾店長や店舗スタッフも選者として名を連ねている。

 

豊富なラインアップが並ぶフェア

 

 伊野尾店長は「『中井文庫』はプロレスラーや地元の歯医者、居酒屋経営している人など、いろんな職種の方に選書してもらっており、バラエティに富んだ選書になっている。特に読書愛好家にとっては、出版業界の方が選書した本が好評」とその特徴を話す。

 

 また同フェアの反響について伊野尾店長は、「来店客や問い合わせが増え、本の売れ行きも伸びている。第6回までやってきて、“顔が見える”特定の誰かの推薦は、宣伝として強いということがわかった」としながら、「この文庫を通して、少しでも多くの人にベストセラーだけでなく様々な本を知ってもらい、意外な本を手に取る機会になってくれれば」と同フェアへの思いを語る。