「本のフェス」でみんなを元気に 10月29、30日に「前橋BOOK FES」開催

2022年8月5日

 群馬県前橋市の街中を舞台に、「本でみんなが元気になる」をテーマとしたイベント「前橋BOOK FES 2022」が10月29日から二日間にわたって開かれる。本好きが自分のオススメの蔵書を持ち寄り、フェスの参加者がポイントで交換できる「本のトレード」や、作家や編集者など本にかかわる人らを招いた「本のイベント」などを開催し、本と人、人と人、人と街の新しい出会い、交流を創出する。8月3日に東京都内で発表会が開かれ、エグゼクティブプロデューサーを務める糸井重里氏(ほぼ日社長)、エグゼクティブディレクターの田中仁氏(ジンズホールディングス社長)らが「本のフェス」開催への思いなどを語った。

 

(左から)田中氏、シンガーソングライターのつじあやの氏、山本前橋市長、漫画家・イラストレーターのみうらじゅん氏、糸井氏

 

地元出身の糸井氏らの呼びかけで

 

 「前橋BOOK FES 2022」は同実行委員会(実行委員長=山本龍前橋市長)が主催。10月29日(土)、30日(日)の二日間、前橋市まちなかエリア(中央通り、弁天通り、けやき通りなど)を会場に開く。

 

 このフェスの発想は、前橋市出身のコピーライター糸井氏と、地元でフリーペーパー「前橋新聞『me bu ku』」の創刊をサポートするなど、地域活性化に取り組むジンズホールディングス代表の田中氏が出会い、前橋市のこれからのまちづくりについて語り合うなかから生まれたという。

 

 糸井氏が「人にとって特別な存在である本が、大切であればあるほど、知的在庫として本棚に溜まっている。本をみんなで持ち寄って、読みたい人、欲しい人とつなぐことで、前橋市にあたらしい価値を生み出せないか」と提案。その構想に田中氏が強く賛同した。

 

 発表会で、糸井氏がこういった経緯などを説明。「本好きな人も、普段はあまり本を読まない人も集まり、本にまつわるあれこれの話を交換できる。これは『ROCKフェス』に似ているというのが、『本のフェス』構想のスタート。歌や踊りのように、本はコミュニケーションのツールになりえるし、こういったイベントの開催が地方都市の一つのモデルにもつながるのではないか」と期待した。

 

「本のトレード」など多彩なイベント実施

 

 現段階で予定しているイベントプログラムなどについては、田中氏が説明した。そのうちのひとつである「本のトレード」は、本好きが自分のオススメの蔵書を持ち寄り、フェス参加者がポイントと交換することで、本を「授かる」。そのやり取りの中で、本を介した交流を楽しむことを目指す。一般出展者のコーナーのほか、全国から寄贈された本が集まるギフト(寄贈)出展コーナー、著名人からの寄贈本によるゲスト出展コーナーが設置される予定。

 

「前橋BOOK FES」の概要を説明する田中氏

 

 「本のトレード」では、本を販売して金銭的な収益を得ることを主旨とするものではなく、「自分が持っていた本を、そこに込められた思いとともに、他の誰かに引き継いでもらう」ための場とする。参加者がクラウドファンディング、またはチケットを購入することで換金性のないポイントを取得、スマホアプリを使って本につけたポイント数と交換する。溜まったポイントは本と交換するほか、前橋市にまつわる物産などの返礼品と交換することもできる。この仕組みには、共催する前橋市が進めるデジタルインフラ「まえばしID」を活用する。

 

 そのほかにも、まだ内容は固まっていないが、作家や編集者、文化人やクリエイターなど本にかかわる人、本を愛する人を招いてトークショーやワークショップ、朗読会などさまざまなイベントを開催する予定だと紹介した。さらに、前橋市や域外のさまざまな団体ともコラボレーションし、食、音楽、アートなどの催しを通じて、老若男女が街中で盛り上がることを目指す。

 

クラファンで賛同者を募る

 

 フェスの運営にあったては、8月17日からクラウドファンディングを実施する。田中氏は「『前橋BOOK FES』は今年1年限りの催しではなく、これからずっと続くフェスにしていきたい」とし、「行政の補助金や協賛金を主な財源にしていては、サステナブルなものにならない。『自分たちが楽しむ場所を自分たちでつくる』という心がある場所にしていきたい」と、クラファンを行う理由を説明した。

 

 山本前橋市長は、「このプロジェクトは本に思いを寄せる糸井さんの発想に、前橋のまちづくりに携わるメンバーが強く共感したことで実現することになった。まちづくりの大事な要素となる、内外から多くの人が集まって交流するイベントを立ち上げることに、特別な意味を感じている」と多くの人の参加、支援を呼びかけた。