坂田記念ジャーナリズム賞決定 京都新聞社、読売新聞大阪本社など7件に

2022年3月30日

 関西を拠点にした報道活動を顕彰する「第29回坂田記念ジャーナリズム賞」が発表され、「スクープ・企画報道の部」で京都新聞社と読売新聞大阪本社、「国際交流・国際貢献報道の部」特別賞に朝日新聞大阪本社が選ばれた。

 

取材対象との信頼構築が評価

 

第1部門(スクープ・企画報道)「新聞の部」には、京都新聞社「700万人時代 認知症とともに生きる」取材班と、読売新聞大阪本社「虚実のはざま」取材班に決定した。

 

 「700万人時代──」について選考委員会は「認知症を特別な病気ではなく、ひとつの人間特性として接することを可能にする好企画。プライバシー問題もあり、難しい取材だが、深い取材を可能にした記者の学習力と、取材対象との信頼関係の構築に敬意を払う」と評価。

 

 「虚実の──」については「IT化した社会の闇を炙り出す秀逸な企画。ネットビジネスの規制や監視システムの改善、リテラシー教育の導入・深化について、社会としての取り組みが問われていることを鋭く指摘。専門家への取材が丹念で、啓発的連載企画として好感が持てる」とした。

 

国際部門に朝日大阪

 

第2部門の国際交流・国際貢献報道「新聞の部」の特別賞は、朝日新聞大阪社会部・宮崎亮氏、コンテンツ編成本部による「サッカー・ミャンマー代表選手の保護要請から難民認定を巡る一連の報道」が、東日本大震災10年復興支援坂田記念ジャーナリズム賞は、河北新報社・東日本大震災10年取材班「東日本大震災10年」がそれぞれ受賞。

 

 「ミャンマー代表選手の──」の受賞理由は、「当該選手の亡命劇を独自取材で克明に報道し、その後の難民申請・認定の動きを継続して伝え、彼を支援する動向を促すことに繋がった。難民認定は目に見えにくいが重大な国際問題。今後も長期的に多角的に掘り下げてほしいテーマ」。

 

 「東日本──」は、「単行本化された『原発漂流』や報道写真集『復興の歩み』に象徴される圧倒的な取材力。今後の防災教本として、読者だけではなく、対外的な記録や提言としてもこの連載記事は十分に応える質と量」と評価した。

 

 そのほかの受賞は次の通り。

 

 ・第1部門(スクープ・企画報道)放送の部=関西テレビ「となりのミライジン」取材班(ザ・ドキュメント となりのミライジン)▽NHKスペシャル取材班(NHKスペシャル 銃後の女性たち~戦争にのめり込んだ「普通の人々」~)

 ・同特別賞=三重テレビ放送ハンセン病問題取材班(ハンセン病問題の節目に際し、改めて偏見・差別の解消を訴える報道活動)

 ・第2部門(国際交流・国際貢献報道)放送の部=毎日放送「映像’21いつか帰れる日まで」取材班(映像’21いつか帰れる日まで~異国で願うミャンマーの民主化~)

 ・東日本大震災10年復興支援坂田記念ジャーナリズム賞「放送の部」=岩手めんこいテレビ「奇跡と呼ばれなくなる日まで」取材班(奇跡と呼ばれなくなる日まで~震災10年 釜石の軌跡~)

 

 坂田記念ジャーナリズム賞7件に賞状と副賞(各100万円)、同特別賞2件に賞状と副賞(各50万円)が授与される。