日経「星新一賞」 AI利用作品が初めて入選

2022年3月1日

 日本経済新聞社が主催する日経「星新一賞」の第9回受賞者13人が、2月18日に決定した。理系的発想力を問う文学賞のグランプリには、一般部門に関元聡氏の「リンネウス」が、ジュニア部門に「カーテンコール」が、学生部門に紺せまる氏「Love is free」がそれぞれ選ばれた。

 

 第9回は2021年6月から9月末まで応募を受け付け、2603編の応募があった。人工知能(AI)による創作と認められた作品は、前回の14から114編に増えた。

 

 今回、AIを一部利用した作品が、初めて入選した。AIを使って一般部門優秀賞(図書カード賞)に入選したのは、葦沢かもめ氏の「あなたはそこにいますか?」。作家であるAIの文章を校正するアルバイトの大学生が、AIへ送るテキストに質問を書き込む実験をして、AIには意識がないと確信。作家には意識が大事であると思い至るという内容。

 

 一般部門のグランプリは賞金100万円。受賞作は2月下旬以降、電子版書籍サイト「honto」で配信予定(無料)。