大手取次年間ベストセラー 上位にコロナ禍の不安反映も

2021年12月3日

211203日販・トーハン年間ベストのサムネイル

 

 日本出版販売(日販)とトーハンは12月1日、2021年の年間ベストセラーを発表した。1位は日販が『人は話し方が9割』(すばる舎)、トーハンが『秘密の法』(幸福の科学出版)で分かれたが、2位はいずれも『スマホ脳』(新潮社)、3位は芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』(河出書房新社)だった。

 

 集計期間はいずれも20年11月24日~21年11月21日。日販は約3000軒の書店のPOS販売データを基に総合的に作成した。

 

 上位には新型コロナウイルス感染症拡大に伴うコミュニケーション欠除や不安を表すような『星ひとみの天星術』(幻冬舎)、『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)といったタイトルが並んだ。

 

 巣ごもり需要の影響か、『推し、燃ゆ』や『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)、など文芸書も上位に入り、前年に空前の大ヒットとなった『鬼滅の刃』(集英社)や同じジャンプレーベルのヒットコミック『呪術廻戦』(同)の関連本も複数ランクイン。

 

 大河ドラマ「青天を衝け」で主人公になった渋沢栄一の『現代語訳 論語と算盤』(筑摩書房)もベスト20位以内に入った。

 

 日販は総合20位のほか、単行本フィクション、単行本実用、新書ノンフィクション、文庫、コミックなど9ジャンルで、トーハンは文庫総合、単行本文芸書、単行本ノンフィクション、単行本ビジネス書、単行本児童書、新 書ノベルスなど10ジャンルで集計している。