コンピュータ出版販売研究機構 第11回CPU大賞の発表

2021年6月30日

書店部門1位『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』(技術評論社)

 

 コンピュータ関連書籍の出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構(CPU)」は6月24日、2020年度のコンピュータ書籍の全国書店ランキングと第11回CPU大賞を発表した。売上部門ではジュンク堂書店池袋本店が4年ぶりに1位。書籍部門の1位は『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』(技術評論社)に決まった。書店部門、新人部門、関西支部部門、青年団部門は該当なしだった。

 

4年ぶりに1位、ジュンク堂書店池袋本店

 

 全国書店ランキングでは、20年4月~21年3月までの1年間にコンピュータ書籍の販売実績に基づき上位店を表彰している。1位のジュンク堂書店池袋本店は販売冊数6万1966冊(前期比91・1%)。コロナ禍で通勤時・通学時での購入契機が多かった「主要ターミナル駅の大型店」が苦戦する中、売上減1桁%台で踏みとどまるなど、コンピュータ書の強い書店である事をあらためて証明した。


 2位の紀伊國屋書店新宿本店販売冊数5万4726冊(前期比72・6%)。3位の丸善丸の内本店は、販売冊数4万1581冊(前期比80・5%)。


 このほか、上位10位では、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店が前年8位から7位にランクアップ。丸善博多店が前年16位から9位となりベスト10入りを果たすなど、若干の入れ替わりが見られた。しかし、ベスト10にランクインしたすべての店舗が前期比を割る結果となった。


 一方、ベスト100位内においては、前年度を越える実績を残した書店は46店舗。その中で「2ケタ以上」の伸びを示した書店が24店舗あった。

 

 

 CPUが手掛ける「棚分類コード」でコード別に各社実績の合計を調べたところ、今後の伸長が期待できるジャンルは伸長率順に「Python」、「ITパスポート」、「クリエイティブ」「情報処理試験」、「Excel」、「JavaScript」の6ジャンルだった。


 テレワーク関連書の大部分が20年度発行のため数値上では前年度と比較できないが、一番の伸長ジャンルは「リモートワーク、Zoom、Teamsなど」と分析。また、「人工知能(前期比82・5%)」、「子どもプログラミング(前期比92・2%)」などは、各社の新刊発行点数が落ち着いてきているなど、ジャンルとして成熟期に入っている。

 

書籍部門は『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』

 

 全国主要書店のコンピュータ書担当者171人の投票で決まる書籍部門は、『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい』が1位となった。書店員からは「SNSでの反響も凄まじく、話題性があった」「お客様の手に取らせるパッケージの巧さがある」と評価された。


 上位に入選している書籍は、いずれもコンピュータ書でありながら、話題書コーナーやデザイン書棚など他ジャンルでの展開を行うことで、幅広い購買層の目に留まったことが売上を伸ばした。
 また、日々変化している社会情勢にいち早く対応したテレワーク関連書など、購買者のニーズに合った書籍が大きく評価された。


 2位は『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア3色だけでセンスのいい色』(インプレス)、3位は『あたらしい、あしらい』(ソシム)。


 このほか、CPUではコンピュータ書の変化しやすいトレンドへの対応として、定期的に棚分類コードを改訂している。7月にパンフレットを作成し、全国の書店へ送付する予定だ。