毎日新聞出版『汚れた桜』の売れ行き好調、増刷で累計1万部突破

2020年2月14日

新書判変形並製/224㌻/本体1200円

 毎日新聞出版が2月1日に発売した『汚れた桜「桜を見る会」疑惑に迫った49日』の売れ行きが好調だ。

 

 丸善ジュンク堂書店全店舗では、1月27日から2月2日の週間ランキングにおいて1位(「社会・政治評論」部門)を獲得。発売直後から増刷がかかり、累計発行部数1万部を突破した(2月7日時点)。


 同書は安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に関して、毎日新聞ニュースサイトで掲載された11月8日から12月26日までの記事に大幅な書き下ろしを加え、単行本化した内容。

 

 これまでの流れや問題点を洗い出し、取材に動いた記者の視点を交えながら、SNSの利活用やウェブファーストの報道姿勢などが記述されている。


 著者は毎日新聞東京本社編集編成局統合デジタル取材センターの江畑佳明氏、大場伸也氏、吉井理記氏ら3人の記者によって発足した「桜を見る会」取材班。同センターは報道の舞台がインターネットに移行する中、主にニュースサイト向けに、購読料を払って読んでもらえる記事を発信することを目指し、2017年4月に新設され部署でモットーは「ウェブファースト」。


 同書によると、記者の人脈に頼った取材だけでなく、ツイッターのアカウントで「桜を見る会」の参加者に情報提供を呼びかけるなど、情報発信のみならず情報収集でもSNSを活用。また、取材につながらなかったものの、フリマアプリ「メルカリ」を利用して、「桜を見る会」で配られた記念品を購入し、出品者に対しアプローチするという新しい方法も試みた。


 同書のデスク業務を担当した同センターの日下部聡副部長は、「『何が問題かがよく分かる』『面白くて一気に読める』『臨場感にあふれている』などの声をいただいていて、取材班一同、励まされている」と語っている。

【鷲尾 昴】