旭屋書店・中野誠顧問に感謝を伝える会を開催、名物書店員の引退を惜しむ

2020年1月21日

バースデイ・ケーキを前に頬をゆるめる中野氏

 旭屋書店・顧問の中野誠氏が、1月14日付で43年間勤め続けた同書店を退職したことを受け、出版社有志らよる「中野氏に感謝の意を伝える会」が同日、東京・豊島区のアルマリアン東京で行われた。

 

 出版社など出版業界関係者87人が参加し、「名物書店員」の引退を惜しむとともに、それぞれが感謝の言葉を贈った。

 

 中野氏は1977年に旭屋書店に入社し、全国各地の店舗開店・運営等に携わる一方、「本屋が選ぶ時代小説大賞」に選考委員として創設当初から参加するなど、出版業界発展に尽力。当日は中野氏の67歳の誕生日ということもあり、参加者からバースデイ・ケーキが贈られた。

 

43年間の書店員人生、重要な役目を果たせた

 

 登壇した中野氏は、長い書店員人生で関わった出版業界人を多数あげたうえで、「たくさんの人の支えがあって、今日まで続けてこられた。出版業界は厳しいと言われるが、著者から出版社、取次、その思いが込められた『一本のタスキ』を最後に読者に手渡すことが書店の役目。その重要な役目を果たすことができた43年間だった」と振り返った。


 また中野氏の息女で、NHK出版在籍の中野沙帆子氏も出席。沙帆子氏は「中野家にはたくさんの本があり、本を読む父や母の姿を見て、私も自然と出版業界を目指すようになった。皆さんに愛された書店員人生だったと思う。本当に長い間、お疲れさまでした」と慰労の言葉を贈った。


 出版社を代表してあいさつに立った光文社・藤石索道氏は、「池袋店の店長をされていたときに、中野さんが仕掛け販売に協力してくださったことで火が付いた書籍もあった。また販売面だけでなく、業界関係者などたくさんの人を紹介してもらうなど、何から何までお世話になった」と感謝の意を述べた。


 また他の参加者からは、中野氏との宴席でのエピソードや、プロ野球観戦の思い出が語られるなど、同氏の人柄や人徳が伺える会となった。

【山口高範】