富士通 AI活用の自動記事要約システム企業向けにトライアル公開

2019年7月22日

 富士通は7月8日から、AI(人工知能)技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、高い精度で瞬時に自動で記事の要約や顔写真の背景を着色できる無償のトライアルサイトを、メディアをはじめとする企業向けに公開した。トライアルサイトに登録すると、要約したい文章をサイト上に入力するだけで、瞬時に精度の高い文章に要約できる。

 

 富士通では、新聞社が新聞紙面などに掲載した記事を他メディアに配信する際、配信先のメディアに合わせて人手で記事を要約する作業をおこなったり、自治体や企業がさまざまなパターンで情報発信する機会が増えていることから、2018年からメディア向けにAIを活用した自動記事要約システムを開発・提供してきた。

 

 実際に、18年には信濃毎日新聞社と協力し、「多様なメディア配信に活用可能なAIによる自動記事要約システム」を実用化。その取り組みは18年度の新聞協会賞(経営・業務部門)を受賞した。

 

 公開した自動記事要約システムは、記事全文から重要度の高い文章をAIが判定し、180文字以内で抜粋する「重要文抽出」と、AIが単語の生成確率などに基づき、単語の結合や長い表現を言い換えることで、より短い54文字以内の文章に要約する「生成型要約」の2種類の機能がある。

 

 また、トライアルサイトでは、新聞や雑誌などに掲載する顔写真の背景に特定の色を塗る作業を自動化する機能も提供。あらかじめ顔写真のデータを学習させたAIが、顔と背景の境を判別し、顔以外の不要な背景を着色するという。

 

 トライアルサイトの利用可能期間は、利用開始から90日間。同社では、これらについて、19年度下期にソリューション提供を予定している。