雑協・次世代会議 改訂版「これで雑誌が売れる !! 」が好評 2万4000部発行

2019年7月9日

改訂版を持つ井上議長(左)、2008年版を持つ梶原副議長

 

 日本雑誌協会(雑協)は6月24日、東京・千代田区の出版クラブビルで会見を開き、次世代雑誌販売戦略会議(次世代会議)の井上直議長(ダイヤモンド社)と梶原治樹副議長(扶桑社)が10年ぶりに改訂した小冊子『これで雑誌が売れる!!』を発行した経緯やその後の反響などを報告した。

 

 同冊子は販売会社の協力を得て、全国の書店にアンケートを実施し、「雑誌を売るためのテクニック、成功事例」を収集し、アンケートを元にして68ページの小冊子を作成し全国の書店に配布。今後は同冊子をテーマとしたセミナーなども開催する予定だ。

 

 改訂版は現在、2万4000部を発行し、5月27日から全国の書店約1万店に2冊ずつ計2万部を配本。書店・出版社から個別取り寄せ要望は400部以上。雑協によると社員全員を対象に同冊子を用いて研修を行うケースも数例報告されているという。なお、同冊子は雑協ホームページの特設ページから自由にPDF版をダウンロードすることができ、Twitterでの反響も良好だ。

 

 雑誌販売ノウハウを全国の書店員へ

 

 会見で井上議長は「我々が何よりも大切にしているのは、店頭現場にいる書店員の声を受け止めることだ。雑誌販売を巡る状況について、一番頻繁に耳にしたのが、『基礎的なことがおろそかになっているかもしれない』という声だった」と述べた。

 

 そのような中でも「(左右の本を重ねながら展示する)鱗陳列をしないなどの基本的なことや、分かりやすいジャンル分け、見やすい陳列、特集に合わせたPOP、書店独自のノウハウを生かし、雑誌やコミックスを売り伸ばしている書店も多くあった」という。

 

 書店との意見交流を経て井上議長は「(08年版『これで雑誌が売れる!』)を読み返し、かつてはなかった販促施策やSNSの活用などを集め、今こそ全国の書店員に届けて活用していくことが必要だという思いから、プロジェクトを発足させた」と振り返った。続けて「この小冊子が切っ掛けとなって、全国各地の書店で新たな工夫が生み出され、魅力的な雑誌売り場につながることを願っている」と期待を込めた。

 

 そのあと、梶原副議長が「この10年間で大きく変わったのはTwitterなどのSNSを使った情報の発信と収集だ。デジタルの影響で雑誌が売れなくなっている側面もあると思うが、雑誌を売るためにデジタルを活用する事例も多く集まっている」と話した。

 

 また、「不定期誌のMOOKをいかに売り上げのために活用していくかという回答が多かった。MOOKは商品としては単発なので、書店や出版社も扱い方が決まっていないジャンルであるため、ノウハウが伝わっていないのかもしれない」と指摘。

 

 結びに「今回はテキストが主体だったが、陳列方法などを写真で紹介したいとも考えているので、今後の意見交換会や勉強会で事例を集めていくつもりだ。まずは改訂版を一つのたたき台として、雑誌の売り方を話し合う切っ掛けにしたい」と強調した。