公共図書館プロジェクト 議連に答申を提出 図書納入で地域書店優先求める

2019年7月8日

 

左から肥田座長、細田会長、笠事務局長

左から肥田座長、細田会長、笠事務局長

 

 活字文化議員連盟の公共図書館プロジェクトは6月24日、東京・千代田区の衆議院第一議員会館で手交式を開き、「公共図書館の将来『新しい公共』の実現をめざす」(答申)を同議連・細田博之会長ならびに笠浩史事務局長に提出した。答申は公共図書館の改革や将来についてまとめられており、図書館の運営や入札方式、図書納入のあり方、司書の社会的地位の向上のほか、新しい図書館の指標など5つの提言が盛り込まれた。なお、答申の概要と内容は公益財団法人 文字・活字文化推進機構のホームページで公開されている。  

答申に記載された名義貸しによる図書納入の取引形態の事例

答申に記載された名義貸しによる図書納入の取引形態の例

 

 特に図書納入では地域書店を優先し、新たな地域循環型の経済効果創出が提案された。なお、名義貸しによる取引の事例がヒアリングで指摘されており、書類上では地域書店が購入しているとなっていても、実際には域外業者に地域書店の名義を貸し、その見返りにわずかな手数料が渡される取引形態についても言及があった。

 

 また、入札については指定管理者、書誌データ、図書納入業者の「3セット入札」から「個別入札」へ転換し、官民協力のもと選書用近刊情報へNDC(日本十進分類法)付与する仕組みの構築などが示された。

 

 手交式の冒頭、同プロジェクト・肥田美代子座長が「これまで18団体から5回のヒアリング、3回の討議を行い、ついに議連に対して答申を渡せる日がきた」とあいさつ。そのあと肥田座長から答申が議連に提出され、細田会長は「答申に基づいて必要な法整備等を進めていかなければならない」と述べた。

 

 答申の第3章「公共図書館の未来 5つの提言」では、①首長の指導力と住民参画による図書館運営②MARC選択の多様性確保とNDCの付与③図書納入は地域書店を優先④司書の社会的地位の確立⑤新しい評価指標づくり――が提言された。

 

 図書館運営では法整備も視野に「わが国の公共図書館のあり方に関する協力者会議」(仮称)の設置を要請。 新しい評価指標作りにおいても、図書貸出率を中心とした評価指標を改めるため「公共図書館の評価指標に関する協力者会議」(仮称)の設置を求めた。具体的には来館者数やデジタル化時代への対応能力、バリアフリー度と障害者雇用の状況、自治体における図書館政策の優先順位などを含んだ評価指標の策定を構想している。

 

 また、司書については非正規職員の比率を就業者全体の比率程度に改善し、正職員への昇格や同一労働同一賃金の原則を確立。国や地方公共団体の責任で司書の研修活動・研修会への参加奨励を提言している。