河出×文春、山崎ナオコーラ作家生活15 周年でコラボフェア

2019年2月4日
 河出書房新社と文藝春秋は、山崎ナオコーラ氏の作家生活15周年を記念して、それぞれの新刊を2月20日に同日配本し、コラボフェアを展開する。両社の実績から選定した500書店を中心にフェア参加を呼びかけており、サイン本の提供や共同拡材を作成するなどプロモーションを実施する。

 刊行するのは河出書房新社が小説『趣味で腹いっぱい』、文藝春秋はエッセイ『文豪お墓まいり記』。

 『趣味で腹いっぱい』は初版6500部、趣味を楽しむ妻と仕事一筋だった夫を描く作品で、カラテカの矢部太郎氏が推薦文を寄せている。『文豪お墓まいり記』は初版600
0部、山崎氏が昔の作家26人に会いに行く、お散歩エッセイだ。

 フェア参加書店には、拡材として著者の手書きメッセージ入りPOPやフリーペーパーなどを送付。また、希望書店には発売時にサイン本も提供する。

 それぞれの帯にはお互いの本の紹介を掲載。発売日には著者が東京都内の書店を訪問。3月8日には東京・吉祥寺のブックスルーエ(武蔵野市)で山崎氏と作家、柚木麻子氏との対談イベントを開催する。

 コラボ企画について河出書房新社・岡垣重男常務は「新刊から他社の本とコラボするのは初めて。お互いの販売データを交換したが、売れ行き良好書店が意外に違っており、コラボすることで幅を広げられる」と話す。文藝春秋・勝野聡営業局次長も「書店へのアプローチ方法にも違いがあり、販売の幅を広げさせてもらっている」と述べる。

 コラボフェアの申込みは2月5日まで。河出書房新社が受注集計を担当する。

 山崎氏は2004年に『人のセックスを笑うな』で文藝賞を受賞してデビュー。河出書房新社からは32万部に達する同作をはじめとして文庫を含めて11点を刊行。文藝春秋からは3点を刊行している。

 岡垣常務は文芸書を刊行する出版社として、「文芸が売れることは書店の活性化につながると思う」と述べ、今後も書店の文芸担当との接点作りなどを進めていく意向を示している。

□『趣味で腹いっぱい』=四六判並製/224?/本体1550円

□『文豪お墓まいり記』=四六判並製/240?/本体1550円