西日本豪雨で被災した「獺祭」で知られる旭酒造は、通常の「獺祭」としては出荷できなくなった純米大吟醸酒を、弘兼憲史氏の申し出で、「獺祭 島耕作」として販売することになった。この商品説明会が8月2日、東京・文京区の講談社で開かれた。 旭酒造は、弘兼氏の出身地でもある山口県岩国市の酒造メーカー。7月の西日本豪雨で前を流れる川が溢れ、酒蔵が70?浸水したほか、3日間わたる停電で150本の発酵タンクの温度コントロールができなくなるなど被害を受けた。 泥を被った酒瓶は出荷できなくなったが、温度コントロールができず、「獺祭」ブランドとしては出荷できないと同社が判断した四合瓶約65万本分を「獺祭 島耕作」として販売する。価格は1本1200円で、このうち200円は被災地域の復興支援として寄付する。 記者会見には弘兼氏と旭酒造の桜井博志会長、櫻井一宏社長が出席。 弘兼氏は「旭酒造が被災したというので電話をすると、かなりの量の酒が被害を受けたと聞き、島耕作のラベルで売ることができないかと提案した」と経緯を説明。 桜井会長は「泥を被ってしまった瓶は密閉していても細菌が入る恐れがあるので出荷できないが、温度管理できなかったために美味しくても『獺祭』では出せないものであれば、ラベルを提供してもらって出すことができる」と述べた。 65万本は同社の1カ月の仕込み量に当たるといい、中には1本3万円で販売している最高級品も含まれているという。