朝日新聞社、AIへの取り組み加速 レトリバと自然言語処理で共同研究

2017年5月15日
 朝日新聞社は5月15日、レトリバ(東京・千代田区、河原一哉社長)と自然言語処理分野における共同研究契約を締結したと発表した。「自然言語」は、人間が使う言葉の総称で、自然言語処理は人工知能(AI)を支える研究分野の一つとなっている。両社が保有するデータや技術を共有し、エンジニアが連携して研究開発に取り組む。

 この共同研究は、主に朝日新聞社とそのグループ企業が保有する、ニュース記事に代表される大量の日本語データを、両社のエンジニアが連携して機械学習、特にディープラーニング(深層学習)の技術などを用いて解析し、将来的に両社に利益をもたらす研究成果を創出することが目的。特許や学術論文の発表により、社外への技術還元も目指す。

 朝日新聞社は、新規事業の開発やAIをはじめとする最先端技術の研究にあたるメディアラボと、社内のシステム開発や業務イノベーションに向けたIT技術研究・開発、技術者の育成を担う「情報技術本部」が中心となり、AIを利用した新事業開発・業務改革を進めている。今回、ビジネスへのAIの活用を得意とするレトリバと協力し、AIへの取り組みのスピードアップを図る。朝日新聞社からレトリバへ、若手エンジニア数人を派遣し、両社でノウハウを積極的に共有する。

 レトリバは2016年11月、株式会社プリファードインフラストラクチャーからスピンアウトしたスタートアップ企業。「お客様の課題を最先端の技術で解決する」をミッションとしている。自然言語処理、機械学習、深層学習をコアテクノロジーとして、コールセンターの問い合わせ分析や回答支援などのソリューションおよび数多くのソフトウェアを提供している。URLはhttps://retrieva.jp/