メディア関係者有志が「共謀罪」法案創設に反対アピール

2017年4月14日
 組織犯罪の準備行為を行った段階で処罰できるようにする「テロ等準備罪」(共謀罪)法案が衆議院で審議入りした4月6日、共謀罪を考えるメディア関係有志の会(世話人=上智大学・田島泰彦教授、立教大学・服部孝章名誉教授)は同法案への反対をアピールする緊急記者会見を行った。

 会見は東京・文京区の日本出版労働組合連合会(出版労連)会議室で開催。田島、服部の両氏のほか、日本新聞労働組合連合・小林基秀委員長(北海道新聞労組)、出版労連・大谷充中央執行委員長が登壇した。

 田島教授は同法案の問題点について、「(処罰対象は)テロに限られることはまったくない。『共謀罪』と事実上同じもの」、「自由なコミュニケーション、話し合いが処罰の対象になる」などと指摘。

 その上で、「共謀罪だけの問題ではない」とし、14年に施行された特定秘密保護法などを挙げた。また、盗聴が推進・拡大され市民監視が強化されるとの見解を示し、「法的拘束を受けない機関が必要という方向に向かっている」と警鐘を鳴らした。

 小林氏は、エジプト・カイロ特派員時代に起きたクーデターのエピソードなどを話し、「為政者がテロリストと言うときは気をつけたほうがいい」と危機感をあらわにした。

 今後、有志の会は署名活動や説明会・集会といった活動を通じて、同法案の問題点を広くアピールしていく。

 なお、同日には出版労連が「共謀罪」への反対声明を発表。新聞労連は2月23日付で声明を発表している。