ダイヤモンド社、『モレスキン』異業種コラボで好調

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2010年10月8日
ダイヤモンド社が9月9日に初版2万部で発売した『モレスキン「伝説のノート」活用術』(堀正岳、中牟田洋子著)は、ネットを使った事前プロモーションと、モレスキンの輸入代理店カファ?との異業種コラボレーションによる書店フェアによって、発売翌週には3万部の重版を決める出足になった。モレスキンは、オイルクロス地の表紙にゴムバンドというシンプルなデザインで、かつてヘミングウェイやピカソも愛用したといわれる?伝説のノート?。同書は根強いファンがいるモレスキンの魅力や活用方法、相性のよい文具などをイラストや写真を多用して紹介している。販促を担当したダイヤモンド社営業部の出口直子氏は、昨年12月に有隣堂秋葉原店が実施したモレスキンと関連書のフェアが、同店のフェアで過去最高の売れ行きだったと聞き、編集担当の市川有人氏を通じてカファに共同販促を提案したという。モレスキンは1冊2000?5000円と高額なため、ビジネスパーソンが主なターゲット。文具ルートが中心だったカファにとっても、ビジネス書のコーナーでの展開はメリットがあり、即座に同意した。両社は今年4月からミーティングを重ねて販促計画を練った。モレスキンと同書に加え、ダイヤモンド社の関連書や、有隣堂のフェアで扱った他の出版社の関連書も提案するセット注文書を用意し、ビジネス書の売り上げ上位200書店に営業を展開。「過去に経験したことがないぐらい受け入れてもらえるフェアでした」(出口氏)という好反応で、150店でのフェア開催が決まった。また、この促進で事前指定申し込みが1万部を超え、初版部数を2万部に増やした。一方、同社は9月に営業部にマーケティング担当を置き、担当の松井未來氏は、モレスキン関連の公式ブログを開設。著者のブログやツイッターなどから、「モレスキンをキーワードに情報をブログに集約するようにした」(松井氏)。その結果、書籍の刊行前からファンの間に話題が広がり、ビジネス書コーナーでのフェアとリンクして好スタートに結びついた。10月25日にはファンを集めた著者が参加するイベントを開催予定。参加者がネットで情報発信する、リアルとバーチャルの連動を狙う。