日書連、再販問題で懸念示す ワンダーグーとアマゾンの問題

2009年2月19日

 日本書店商業組合連合会は2月19日、東京・千代田区の日本書店会館で開いた2月定例理事会で、ワンダーグー(茨城県)とアマゾンジャパンに関する再販問題が議論され、理事会終了後の記者会見で再販研究委員会・岡嶋成夫委員長(ブックロード)は「重大な危機感を持っている」と述べた。

 記者会見には、大橋信夫会長(東京堂書店)、岡嶋委員長、小泉忠男広報委員会副委員長(小泉書店)、大川哲夫専務理事が出席。

 大橋会長は、理事会ではアマゾンが早稲田大学と行っている「Amazonギフト券サービス」についての専門紙の記事を受けて「重大に捉えなければ」との動議があったことを紹介。岡嶋委員長が「今再販の問題で大きく二つ生じている」として、同問題とワンダーグーの問題について概要を説明した。

 ワンダーグーについては、今年1月にイベントとして「新品本」に10%のポイントを還元するとの情報提供があり、実施前に再販研究委員会を通して取次に調査を依頼した。

 また実際に1月25日に同21日発売の雑誌、同24日発売の文庫が10%のポイント還元で購入できたとし、「何故止められなかったのかと思う。しかも1月に行って2月にも同じ形で行うとの情報提供があり、取次、出版社がこれを放置するということは、再販はいらないと思っていると解釈せざるを得ない」とした。

 また、「Amazonギフト券サービス」については、「8%引きの対象となる校友会は、定価拘束が適用されない団体には含まれない単なる一企業としか解釈できない。アマゾンが、生協がやっているからやって良いという理屈にはならないと思っている」とし、「この問題には重大な危機感を持っている」と述べた。

 返品運賃アンケートを実施

 また、理事会では各県組合に対して、「返品運賃に関するアンケート」を実施することを決めた。

 地方書店の資金繰り悪化の要因とされている「返品運賃問題」について改善していくための正確な資料づくりのために実施する。

 1月29日に日本出版取次協会・古屋文明会長(日本出版販売)宛に、「『出版業界用語』語彙確認のお願い」を要請した。

 文章では、「検討が必要と思われる用語」13項目をリストアップし、その用語に対する見解を2月17日までに文書で求めた。取次協会からは、運営委員会で検討することを確認したとの連絡があったという。

 書店経営健全化委員会調べによる1月期傘下組合員加入・脱退状況(概算数字)は、加入2、脱退38(うち廃業29)で差引36減。08年度の4~1月期の組合員数は328減の5595となった。