図書館振興財団スタート 50億円基金に年間8千万円規模で助成

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2008年11月27日
図書館流通センター(TRC)は、30年間の事業展開の成果から、50億円を基金として財団設立を進めていたが、11月19日に文部科学省から認可がおり、財団法人図書館振興財団がスタートした。理事長にはTRC・石井昭代表取締役会長が就任、年間8000万円規模で助成活動を進める。9月に設立申請を行い、11月に認可が下りる異例のスピードで、文科省の歓迎振りが読める。「まもなく業界から退く立場の人間として、後輩達の、図書館を振興するための事業の応援になればというつもり」と財団設立の意義を石井理事長は説明する。基金50億円の内訳は基本財産40億円、運用財産10億円。資金はTRCの株を大日本印刷に売却したもので、創業当時から在社している石井昭、石井和子、小澤嘉謹、尾下千秋の4氏の出資による。助成事業は?図書館員専門職に関する助成で、当初は2件各1000万円?図書館員専門職の海外派遣に関する助成は、5人各300万円?民間図書館の設立に関する助成は、2件各1000万円?図書館の運営に関する助成は2件各1000万円。地域に埋もれている多くの郷土資料、地域資料をデジタル化して公開する事業にも協力する。財団として今後、ホームページを立ち上げて助成内容を告知、応募を受け付ける。そのために審査委員会を発足させる。なお、TRCでは既にNPO法人「図書館の学校」を立ち上げており、財団の事務所と同居する予定。「財団設立申請時に担当官に”久し振りにすっきりした財団が出来た”と言われたが、ほめ言葉として受け止めたい」と石井理事長。〈理事・事務局長〉▽理事=植松貞夫(筑波大学大学院教授)、相賀昌宏(小学館社長)、小城武彦(丸善社長)、北島義俊(大日本印刷社長)、高山正也(独立行政法人国立公文書館理事)、野間佐和子(講談社社長)松原治(紀伊國屋書店会長)▽事務局長=松田伊織