業界団体再編の必要性
新年恒例となっている大手取次2社の年末年始店頭売上動向調査は、トーハンが前年同期比プラス、日販は微減ということでなだらかな印象だが、コミックは20%前後の大きな落ち込みになったことが気になる。
前年の年末年始は伸びが大きかったので、その反動もあるのだろうが、それにも増して落ち幅が大きい。書店からも「コミックが悪かった」という声が聞かれる。電子を含めたコミック市場全体は増加傾向にあるが、紙の落ち込みがどれだけ足を引っ張るのか。出版科学研究所が発表する年間売上が気になる。
コミックは、デジタルや国内・海外版権ビジネスでは成長が続き、今年度補正予算でコンテンツ産業振興に550億円余の予算がついたほど期待される一方で、コロナ禍以降は紙コミックの減少幅が大きくなっている。雑誌市場が縮小する中でも好調なジャンルだっただけに、書店や物流への影響が懸念される。
そのうえで「トラック新法」である。いよいよ産業全体として流通や小売の基盤整備に本気で取り組まないと〝ヤバイ〟事態になる。
出版クラブの新年名刺交換会で野間省伸会長は出版業界団体の再編に言及し、悠々会では取次協会・近藤敏貴会長も業界団体統一の必要性を訴えた。調査・研究能力を備え、業界を主導してロビー活動などもできる強い業界団体が必要なことは確かだ。【星野渉】
