書店支援と改革への波
年内最終号の重大ニュースをまとめるため、1年間のニュースを振り返ったが、今年はやはり書店を支える取り組みが目についた。最たるものは国による初の書店支援である経済産業省の「書店活性化プラン」。そして、大手出版社(講談社)と大手新聞社(読売新聞グループ本社)による共同提言は、出版と新聞両業界が書店活性化で連携を強めたことを印象付けた。
また、過去に何度も実験を重ねては立ち消えになったICタグは、書店の作業や経営を効率化する目標を明確にして、PubteXが書店RFIDのサービスをスタート。タグを貼付する出版社は年明けには13社になり、コミックの新刊についてはかなりの貼付率になる。導入書店もすでに70店舗ほどになった。
柚木麻子著『BUTTER』がイギリスでのヒットを皮切りに世界各国で読まれたことがニュースになった。コミックにとどまらず海外での日本出版物への需要は本物のようで、出版社の海外市場への注目度も上がっている。そんな中開かれた「TOKYO RIGHTS MEETING」は出展社、来場者ともこれまでで最大規模となり、今後、国際ブックフェアに発展することが期待されている。
一方で、「トラック新法」の成立で、3年以内に出版流通の運賃が大幅に増加することが見込まれる。来年はこれに向けた改革が一気に加速する年になりそうだ。【星野渉】
