5年以上通う理容店。チェーン店なので異動か退職か不明だが、担当者がしばしば変わる。おしゃべり好きな理容師もいれば、沈黙のまま「チョキチョキ…」の音だけが聞こえる日もある◆鏡の下には、「60歳以上のお客様 200円割引」のカードが置かれている。該当する客が自分で手に取り会計に持っていくセルフ申告制。それを見るたび、「あと3年か…」とカウントダウンするも他人事のように眺めていた。ある日、カットを終えてレジに向かおうとすると、切ってくれた人が「これ大丈夫ですか？」とカードを渡そうとする◆「若々しい」と自負しているわけではないが、さすがに小さなショック。「老け見え」しているのか、理容師の観察力に難があるのか…。「あ、まだ大丈夫です」と、シニアぶるのを全力で回避。「200円ラッキー!」と乗っかっていたら「詐欺罪」に問われる可能性があるそうだ。AIが教えてくれた。【堀雅視】
