出版広告と新聞
新聞広告がかつてほど効かなくなったと言われるようになって久しいが、地方紙へ書籍の広告を出す動きは目に入ってくる。同じ紙媒体で、読者の年齢層が高めの新聞は、商材によって出版物の宣伝媒体としての可能性が大きいということか。
本紙でも「アスコム・大田丸 地方紙などへの出稿で成果」(7月15日付掲載)、「PHP研究所 9月下旬に地方紙38紙で広告を掲出」(デジタル版7月17日配信)といった記事を掲出した。
アスコムは書店協業会社・大田丸に加盟する書店法人がある地域の新聞に広告を出し、店頭展開と連動させる取り組みを3年にわたって実施。PHP研究所は9月に荒木俊哉著『こうやって頭のなかを言語化する。』と伊坂幸太郎著『パズルと天気』の広告を全国の地方紙38紙に掲出する。
地方の書店からは「地元紙に広告を出してほしい」という要望があるという。PHP研究所は初の試みだが、そうした書店へのエールともいえる。
当社では、県紙(地方紙)とともに、さらにエリアの狭い地域紙(ローカル紙)とも関係が深い。地域紙の記事を顕彰する「ふるさと新聞アワード」も今年度で5回目になる。そうした新聞は地域との密着度が高いのだが、おそらく出版社との接点はほとんどないだろう。その間を取り持っていきたい。 【星野渉】