【行雲流水】2023年9月12日付

2023年9月11日

 


 某月某日

 

 新宿東急ミラノなどの跡地に今年4月開業した東急歌舞伎町タワー45階の「レストラン・ベルスター」で、このプロジェクトを統括する東急・木村知郎室長とランチ。信州高遠藩・内藤家の中・下屋敷があった一帯にできた新しい宿場町新宿。「歌舞伎町」という名は、かつて歌舞伎座を誘致しようとした名残というのは知らなかった。
 「少子化で、若者ファッションで稼ぐ商業も、労働人口減少と働き方が大きく変わったことでオフィスも厳しい。となると人が動くモチベーションはエンターテインメントしかない」と。朝5時から6時を除く23時間営業する地下のクラブには、その日のDJを目当てに、週末には3000人の若者たちが押し寄せる。建物前の広場では警察が取り締まることのない〝公認〟路上ライブも。2階には全国のうまいものが食べられる1300席の横丁があり、1日700万、月に2億円売り上げる。
 エンターテインメント・コンテンツのサプライヤーでもある出版業にとっても無縁な話ではない。

 

 某月某日

 

 母校の慶應義塾高等学校が107年ぶりに夏の甲子園で優勝した。塾生やOBに限らず、多くの人が〝エンジョイ・ベースボール〟に感動を覚え、感激するとともに甲子園の新しい姿を見せてくれたことに感謝したのではないだろうか。
 そんな誇らしい余韻に浸るG党(私)、ヤ党の妻と東京ドームへ。
 2019年3月にオープンしたという「グルメストリート」の充実ぶりにコーフンする。焼肉・ホルモン、韓国料理、宮崎地鶏、串カツ等々、いつの間に?と驚くも、出遅れた為、ほとんどが売り切れ。なんとかタイ料理屋でガパオライスと揚げパクチーの載ったフライドポテトとハイボールを手に客席へ戻る。次回の捲土重来を期す。

 

 某月某日

 

 「新聞人・出版人」が仕上がった。年々厚みとともに、手前みそながら内容も充実してきた。今回、本紙に掲載したコラムを巻末に収録してみたが、改めて読み返す機会となって思いのほか楽しめる。新聞やネットで流れたものを〝ピン留め〟できるのは、「紙の本」の効用であり、醍醐味と言える。
 次のことを考えるのは少し早いが、「趣味・近況」をさらに充実させて、最近イチオシの一冊や、好きな食べ物や酒の銘柄、家族(孫?)やペットの写真をご披露いただくのもいいかもしれない。ますます快話のきっかけにならんことを。【山口健】