【出版時評】販促情報の提供方法も変わるか

2022年6月28日

 出版社が書店にFAXなどで送っている販促チラシを、ウェブで閲覧できる当社の新サービス「Booklink」が7月1日から正式スタートする。すでに多くの出版社と書店にパイロット版を利用していただいているが、チラシ類を一覧すると、各社それぞれ特徴や傾向があることがわかって興味深い。

 

 パブリシティーの情報では、掲出メディアを大きく表記しているものや、パッと目に飛び込んでくる配色(FAXでは黒くなっているのだろうが)を使っているもの、逆に小さな字で情報量を多くしてサムネイルでは判読できないものまで様々である。

 

 出版社からは、これまで他社のチラシを見る機会はほとんどなかったと言われた。利用している書店からは、出版社がこれを参考にして、全体にチラシの表現がわかりやすくなることを期待しているという声もある。

 

 ある日本を代表する大手書店は、お声がけすると即座に国内外全店舗での利用を申し込み、このサービスの利用を出版社に呼びかけたいと話していた。FAXへの費用と手間のストレスが相当溜まっているのであろう。積極的に活用している出版社のなかには、すでに「Booklink」のサムネイルで見やすい工夫を始めたというところもある。書店に提供する情報の内容や表現、頻度などが、デジタル化によって変わることを感じる。

 

【星野渉】