【行雲流水】文化通信2021年10月5日付

2021年10月5日

 某月某日

 ここ2週間ほど、今年で2回目となるギフトブックキャンペーンの準備が佳境に入っている。

 昨秋34名の著名人が選ぶ書籍を掲載したカタログを20万部発行したが、小学館の相賀昌宏社長とオリックスの宮内義彦さんなどから「これ自体が贈りものになるよ」と有難いヒントをいただき、今年は図書カードを添えて贈ることも想定した仕様と表紙デザインにした。前回ご参加の方々を含む50名の文化人や財界人と、書店員・図書館員による選書のほか、本を読む楽しさを伝えるヒト・モノ・コトのページを所々に挿し込む。巻頭言は文字・活字文化推進機構・理事長として読売新聞グループ本社・山口寿一社長にお願いした。

 続々と寄せられる選書とコメントは何れも素晴らしく、言い尽くせぬ感謝の念とともに改めて紙の本が放つ魅力を感じている。

 某月某日

 11月の「トップインタビュー」で、「中川政七商店」の中川政七会長からお話を伺う。小社では創業75周年記念事業のひとつとして、地域紙の記事を「ふるさと新聞アワード」として顕彰する取り組みを進めていて、中川さんには外部審査員をお願いしている。

 2008年に高級麻織物「奈良晒」を商う創業300年の老舗の13代目となった中川さんは「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げ、自社で企画・製造した生活雑貨などを60店の直営店での販売するほか、ブランディング経営の教育・指導やコンサルティング、地域活性事業に取り組んできた。社長在任10年となる2018年に、工芸にかかわる事業は一族以外初の女性社長に任せ、自身は会長として「観光地としては有名だが、お金を落としてもらえない」奈良の活性化に注力する。

 「日本の地域紙を元気にする!」元気の出る話をお楽しみに。

 某月某日

 味の手帖が2013年に発行を始めてちょうど10年目となる来年版の日めくり「味のカレンダー」が発売となった。10年前は365日、旬の食材にまつわる文章180字をマッキー牧元さんが、イラストは宗誠二郎さんがすべて書(描)き下ろし、それはそれはストレスフルなことであった。その後分業?が進み、今や35名の執筆陣、イラストも2人体制に。そして今回は外箱の色も一新、尾頭付き(鯛焼き)に招き猫がちょこんと載った朱色のイラストを配した。年末年始の贈答に最適デス。