【出版時評】図書館と書店が連携するきっかけに

2021年7月5日

 日本出版販売が図書館流通センターとの共催で開催している図書館向け児童書展示会「子どもの力 図書館のためのブックフェア」東京会場を訪ねた。昨年は感染拡大で開けなかったというが、今年は対策をしながら5月から8月にかけて各地で開いている。

 

 検温や消毒は当然として、入場者の人数を制限したり、手袋を用意するなど、図書館関係者が気兼ねなく来場できるように、日販図書館営業部の担当者が感染対策アドバイザーとして対策を実施していた。

 

 そんな効果もあって、会場には多くの来場者(もちろん密にならない程度で)が訪れていた。やはり本、特に絵本を中心とした児童書は実際に手にとってみたいと思う司書や司書教諭が多いのだという。

 

 ただ、例年は熱心に説明する出版社の営業担当者は入れず、代わりに動画を作成してタブレットやモニターで見られるようにしていた。

 

 会場では当社が開催している「こどものための100冊キャンペーン」も展示していただいたが、早々にカタログがなくなったという。各地の図書館から問い合わせもあり、図書館関係者にも好評のようだ。

 

 図書館向けには近隣書店を案内するチラシも提供しているので、こうした取り組みをきっかけに、地域で図書館と書店の連携が深まることを期待したい。

【星野】