【つぶや記】文化通信2021年6月21日付

2021年6月21日

 知り合いに神戸のイギリスパブシェフがいますが、今はSNS 上で写真を見ては美味しそう。仕込みが大変ね、と思うだけです。彼がイギリスでの修業時代に愛読していたのが村上春樹の「やがて悲しき外国語」と聞き、書店員だったころ予約の山に埋もれた記憶しかなかった私の初春樹は、‘91 から2年半ほどのアメリカ修業時代の苦しくも楽しいお話でした。

 

 標題のお話は12 頁ほどで、語学はいくら勉強しても向き不向きがあり、体質である。に深く同意しました。翻訳をするには英語だけではなく数か国語が必要であると、励んでいましたが、最後には流暢でなくともシンプルに言いたいことをゆっくり話せば伝わると思う。

 

 文章にもそれは通じる。と締めくくっています。私が挫折した数か国語は全て白紙にもどり、音楽に必要な最小限のドイツ語だけは霧に掛かりながらも、時々呼び起こしています。なんとも悲しき外国語です。

【田中】