【行雲流水】文化通信2021年5月31日付

2021年5月31日

 某月某日

 大学時代の仲間と2年ぶりのコンペで千葉県中山カントリークラブへ。ゴルフ歴こそ父に連れられいきなりコースデビューした学生時代に遡ること40年を超えるが、日頃「趣味はアフターゴルフ」と言って憚らないヘボゴルファーで長年百叩きの刑に服している。

 しかしこの日、歴史は動いた。猛者たちの不調に付け入り、なんと人生初(おそらく最後)のベスグロ(44・44=88)の栄に浴したのである。賞品担当として、ベスグロは指定席だから名誉だけでいいよと自宅から持参した安物のワインはブービーメーカー(やけ酒賞)に回し、幹事長が用意していた初物の枇杷を頂戴する。緊急事態宣言中で酒類の提供ができない八千代市にてアフターの楽しみを奪われた諦観のなせる珍事。

 某月某日

 6月20日から開催される「こどものための100冊」キャンペーンのカタログが刷り上がる。著名人15名と、書店員と図書館員、いわゆるプロ10名が4冊ずつ選んだ100冊のコメントやコラム、藤枝リュウジさんのデザインも素晴らしく、期待以上の出来栄え。

 参加書店が思うように伸びず、保育園や学習塾などを通じて子育て世帯のパパ・ママにお届けする数の方が書店での配布部数よりも多くなったのは残念であり、もったいないことではある。しかし、購入動機を持つターゲット約5万人に直接お届けし、書店で購入してもらうという流れは効率的で成果に期待したい。昨年に続き11月に開催予定のギフトブックキャンペーンも、書店内での展開に加えて企業や学校などから顧客や社員、生徒に「本を贈る」ことを提案する仕組みを考えたい。

 某月某日

 弊社75周年記念シンポジウムの概要がようやく固まる。

 第一弾はコロナ禍収束後に訪れるニューノーマル時代到来で大きく変容する生活様式の変化がテーマ。四国新聞社のオーナー一族でもある平井卓也デジタル改革担当大臣と、地方紙の中ではデジタル化の先行組といえる神戸新聞社・高梨柳太郎社長に、デジタル社会における地方創生と地元メディアの役割についてお話しいただく。

 第二弾は、第一部で日販・奥村景二社長と有隣堂・松信健太郎社長、第二部ではトーハン・近藤敏貴社長と河出書房新社・小野寺優社長にご登壇いただき、流通・取引制度や顧客志向の取り組みについてそれぞれご議論いただく。