【出版時評】思わぬ展開が広げる可能性

2021年4月5日

 昨年11月から12月にかけて実施した「ギフトブック・キャンペーン」に続き、今年6月に新たなキャンペーン「こどものための100冊」を開催する。今回は子どもの本を対象に、子育て中の著名人や書店員、図書館員が選んだ本をカタログにまとめる。

 

 カタログは書店店頭で配ってもらうほか、今回は大手保育園の協力を得て保育園児4万人ほどに直接届けることができる。さらに公共図書館でも掲載書目のフェアなどを実施するよう呼びかける予定だ。図書館での展開が実現すれば、書店への送客にも挑戦したい。

 

 「ギフトブック・キャンペーン」には約1500の書店が参加し、カタログの販売・配布、掲載書目のフェアなどに取り組んでいただいた。参加書店へのアンケートでは回答の7割近くが同様の企画があれば参加したいというご意見だった。反省点も多かったので、今回はそれらを踏まえて準備を進めている。

 

 当社にできることは、企画を立て、皆さんに応援をお願いすることぐらいだが、思わぬ結びつきもある。今回の保育園での展開がそれだ。書店の外に広げることでかえって書店への誘客につながるのではないか。

 

 出版社でもなく、書店でもないからこそ、そのような発想や動きができるのかもしれない。そうやって、少しでも皆様のお役に立てればと考えている。

【星野】