【つぶや記】文化通信2021年3月15日付

2021年3月15日

 東日本大震災当時、中学3年生だった私は岩手県の実家で被災したが、内陸部で大きな被害は無かった。家族や友達もみな無事だった。

 

 そのため、出身地を明かすたび、一様に被災者として扱われることに、申し訳なさを感じていた。

 

 当事者意識の希薄な子供だったが故に何も考えず、被災者として優しくされる権利は享受しながら、本当に辛い目にあった人々から目を逸らし、共に助け合い、痛みや悲しみを乗り越える義務を果たしていなかったから。

 

 しかし、10年で少しは成長し、そしてこの1 年に経験した非常事態から、気楽に過ごしていたあの日常は、大人達が必死に非日常から取り返したものだったと、ようやく思い知った。だから、この状況で帰郷できるのがいつになるかはまだ見えないが、次は自分も恩を返しにいこうと思う。

【野中】

 

 子供の活字離れ、読解力の低下が問題になっている。デジタル化が進み、昨今のテレビゲームやオンラインゲームの人気を見れば、当然の結果なのかもしれない。

 

 「本を読む」ことによる活字からの情報は、登場人物の表情や、場面など想像力を豊かにするかけがえのないものだし、美しい絵本を見ることにより、色彩感覚が研ぎ澄まされ、世の中をカラフルに捉えることができるようになると思う。

 

 そんなこどもの可能性を応援する「こどものための100 冊」キャンペーンを文化通信社が全国の主要書店で展開することが決まった。かわいいキャラクターも決まった!あとは無事キャンペーンがスタートできるよう、泣きの日々が続くだけ…。すべてはこどもの輝く笑顔のために。頑張るしかない!

【宮﨑智子】