【つぶや記】文化通信2020年3月16日付

2020年3月16日

 岩手県大船渡市、陸前高田市などを発行エリアとする「東海新報」の鈴木英彦社長が1月末、亡くなった。3月初め、取材に合わせ大船渡市にある同社まで足を伸ばした。社長室だった部屋に置かれた祭壇には、鈴木社長の笑顔の写真がたくさん飾られていた。

 

 鈴木社長には、特に東日本大震災の発生以降、寄稿などを数多くいただいた。そして、取材で伺うたび、優しいまなざしで迎えてくれた。昨年、取材に行ったときも「もう少し頑張らなければ」と笑っていた姿を思い出す。

 

 社屋を高台に移転したり、大震災の2年前には自家発電機を購入するなど、過去の教訓から「次」に備えてきた鈴木社長。「あのとき、まさか新聞を発行し続けられるとは」と振り返る社員。「地域のため、日々の新聞作りを大事に」と話した鈴木社長の思いは、きっと東海新報の全員に引き継がれていることだろう。

 

増田