【つぶや記】文化通信2020年1月20日付

2020年1月20日

 正月、自転車で無様にひっくり返った。靴先が地面に引っかかり、関節に逆方向の力がかかったまま倒れ込んでいくのをどうすることもできず、加齢による反射神経の衰えを実感。

 

 足先のしびれを抱えつつ、年初から8 つほど出版・新聞にかかわる新春を祝う会合に出席させていただいた。どちらも紙の活字離れ、人材・後継者難、配送・配達コスト増ほか共通の課題を抱え、十数年来、右肩下がりが続いている。近年は、売り上げの減少を食い止めようと、本業以外の収入を模索する動きが活発化しているのも同じ。コンビニへの雑誌配達を請け負う新聞販売店も。

 

 経営環境が厳しさを増し、業界の体力低下が進む中、個社・個店だけで荒波を乗り越えるのが難しい時代になってきた。分断ではなく、他業界も含めた融合が必要なのでは。 

櫻井

 


 

 ある友人から昨年末に連絡があった。突然自分の事務所を畳み、実家のある長野県に帰って5 年。久しぶりに福島で集合。音楽家でもあった友人は髭をたくわえ、胸板も厚く、たくましく変貌していた。

 

 何をしてるのかと聞くと地元の造園会社でアルバイトをしながら毎日、自然林や森林を歩きまわり、「無音」の世界を体感してるらしい。森林浴ではないらしい。聞こえてくる風や鳥の鳴き声が作曲に活きてくるのかとも聞いたが、全く違い、もう病みつきで新しい創作には意欲はなく、ただただ森林が発する蠢くような生命体を受け入れて生活していきたいらしい。

 

 とても素晴らしい覚悟をもってるけど、帰り際に「ただ防虫スプレーの消費量は年間でけっこうな金額がいくんだ」えっ!そこは生命体を拒絶するんだ。と、軽く突っ込んだ。 

【岩元】