【つぶや記】文化通信2019年11月25日付

2019年11月25日

 小1の息子がいる。学芸会「へそをとられたかみなり」で、カミナリ役をやるという。台詞は「じゃあ泳ごう!」の一言だが、緊張しいの彼は、自宅でも練習を重ねていた。

 

 学芸会当日、親に気を使ってか、いつもと変わらぬ様子で「行ってきまーす」と玄関を出て行く息子。一方、妻と私はビデオカメラを手に、本番に臨む。

 

 そして本番、録画ボタンを押し、息子の登場シーンを待つ。蝶や蛙に扮した子どもが舞台を駆け回る。ついに訪れた息子の登場シーン。「じゃあ泳ごう!」…よし!ちゃんと言えた!帰ってきたら、たらふく誉めてやろう!そんな思いだった。

 

 本番も終わり、その場で映像をチェック。…あれ?撮れてない!?妻は安心したのか、仏のように穏やかだ。その後、私にカミナリが落ちたことは言うまでもない。

(山口)

 


 

 11 月の中旬、弊社主催の視察ツアーで私は上海を訪れていた。多くの方々から助けを借りつつ、様々なことを学び、視察は無事に終了した。

 

 記憶に残ったのは、児童図書展で通訳をしてくれた蒋さんとの雑談だ。私が台湾問題について質問すると、彼女は苦笑いし、「怒る人もいるからしないほうがいい」と答えた。

 

 気遣いであると同時に、彼女は自身の見解を婉曲に示した。私自身は意見を持たず、好奇心からの質問だったが、やはり蒋さんと同じ立場ではない。

 

 歳は近いが、国籍・教育・思想も異なり、相互理解も欠けていた。しかし、それでも蒋さんとは和やかな雰囲気で仕事をすることができた。

 

 本当の「友好な関係」とは理解の強要だったり、逆に遜ったり、あるいは打算によるものではなく、互いを尊重することに違いない。

( 鷲尾)