日経BP 既刊本売り伸ばし施策 全帯巻替と型抜きパネルで6万5000部増刷

2025年12月11日

MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店での展開

 

 日経BPは2023年5月に刊行した中野信子氏による好調既刊『エレガントな毒の吐き方』で、購入層の拡大を図り25年4~5月に全帯に巻き替え出庫。SNSでの反響や型抜きパネルなどの効果もあり、全帯への巻き替え以降6万5000部を増刷。現在17刷13万部に達している。

 

 同書の発売から約8カ月を経過した24年1月ごろから1年間ほど、売れ行きが落ち着いた状態が続いたが、売り伸ばす余地があるという考えから、25年1月に増売プロジェクトを始動。もともとのコアターゲットが40~50代女性であったのに対し、新帯により違う読者層への訴求を図った。

 

 帯巻き替えが奏功し、正和堂書店やインフルエンサーなどによる紹介や発信の影響も大きく、SNS上で話題に挙がることが増加。直近でも読書インフルエンサー「ぶっくま」さんが紹介するなど、広がりを見せている。同社は「全帯への巻き替え以降、明確に週末で売れる傾向が強くなり、客層が現役世代や若年層へと変化した」と分析している。

 

 この動きをさらに加速すべく、新帯の女性キャラクターをかたどった特殊拡材などを書店に提供。拡材設置で販売部数を2倍に伸ばした書店チェーンや、すでに仕掛け展開で売り伸ばしていた店舗でも1.5~3倍に伸ばしたケースもある。書籍の出荷ペースも、前月比で2倍となるなど、同書のポテンシャルを示す実績を出している。

 

 同社はさらに売り伸ばすべく、著者と人気若手芸人との対談記事、インフルエンサーマーケティングなど、さらに若い層への拡販を図る意向だ。