
芳林堂書店高田馬場店での展開
日経BPの日本経済新聞出版が発行かる「日経ビジネス人文庫」が2025年11月に創刊25周年を迎えたことを記念し、厳選したアイテムをまとめた周年フェアを実施中だ。10月1日から12月末までをフェア期間とし、すでに紀伊國屋書店新宿本店や丸善丸の内本店などの大型旗艦店だけでなく、延べ約150店の書店が参加している。
「日経ビジネス人文庫」は20年10月に、新刊30点の刊行を皮切りに創刊。「一生懸命仕事をし、遊びも真剣!」をレーベルコンセプトに掲げ、経済・ビジネス関係を中心としながら、生活やスポーツをテーマにしたアイテムの刊行実績もある。その編集方針は今も変わらず、ビジネスパーソン向けに仕事と生活を充実させる教養書・実用書を提供している。累計の発行点数は約1000点で、そのうち約500点が稼働アイテムとして現在流通している。
発行サイクルは偶数月に4~5点で、年間25~30点の新刊を刊行。創刊時より20年ほどは毎月刊行していたが、1点1点を長く売ってほしいという思いから、5年ほど前より隔月刊としている。ちなみに同社が刊行する新書レーベル「日経プレミアシリーズ」は奇数月での発行となっており、文庫と新書が毎月交互に刊行されている。
他の出版社同様、ここ数年で販売価格を上げてはいるものの、文庫・新書統括編集長の平井修一氏は「内容が充実しており、読み応えがあるため、この価格でもコストパフォーマンスは高い」と推奨する。
歴代ベストセラーとして、『経済ってそういうことだったのか会議』、『戦略プロフェッショナル』、『イライラ解消!エクセル即効ワザ99』など、2010年以前に刊行された作品がランキング10位以内に入っており、「日経ビジネス人文庫」がいかに長きにわたり支持されてきたレーベルかが分かる。
稲盛和夫の主著を新装版で刊行

稲盛和夫の著作など売れ筋書籍が揃う
なかでも『稲盛和夫の実学』は創刊当初に刊行され、歴代ランキング1位となっている。今回のフェアを機に、同じく稲盛和夫の『アメーバ経営』とともに新装版として刊行。新刊の『経営12カ条』を加えた計3点を統一した表紙とし、それぞれ著名な経営学者の楠木建氏・伊丹敬之氏・岩尾俊兵氏の解説を新たに収録することでさらなる販促をかける。
今回のフェアでは近年の好評書を中心にラインアップ。特に①「ビジネス教養」を取り揃えた『経営戦略全史』、『ビジネスモデル全史』、『知性の罠』、『マンガ会計の世界史』、②魅力的な企業・経営者たちをテーマにした『ソニー再生』、『孫正義 300年王国への野望』(上・下)、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』、『キーエンス解剖』、③自律神経研究の第一人者で医師の小林弘幸氏による新刊『心地よい自分が見つかる101の質問』と人気の習慣シリーズ『整える習慣』、『リセットの習慣』、『はじめる習慣』の計4点など、各テーマに沿ったアイテムを推奨。小林氏の『整える習慣』、『リセットの習慣』はそれぞれ20年、22年刊行と比較的新しいアイテムでありながら歴代10位内にランクインしており、女性層からの支持も強いことから、このほどデザインを一新して出庫している。
書店への拡販を担当する日経BPマーケティングの今井勇太氏は「既刊本は棚での表現の仕方を変えるだけで売上は伸びる。フェア消化率は30~40%が一般的と言われるが、それよりもいい実績」と手応えを語る。
日経BPによる書籍系デジタルメディア「日経BOOKプラス」では、担当編集者による読みどころや編集秘話などに関する連携記事を配信。また、11月18日にオンラインで実施した書店向けの企画説明会で周知を図るなどフェアの拡販に注力している。
