文化通信社は11月17日、全国の市町村単位を発行エリアとする地域紙(ローカル紙)の優れた記事および記者を表彰する第5回「ふるさと新聞アワード」の授賞者を発表した。最優秀賞には「東濃新報」(岐阜県多治見市、毎週金曜日発行)の連載「昭和100年 紙面と時代と東濃と」が決まった。そのほか、優秀賞3件、準優秀賞10件、特別賞2件を授賞する(表参照)。来年1月28日に東京都内で贈呈式および懇親会を開催する。

70紙の地域紙記事から選定
同アワードは、2021年から毎年開催している国内唯一の地域紙のための賞。全国の地域紙が集まる私設図書室「ふるさと新聞ライブラリー」(文化通信社内)にある70紙を対象に選定している。
大学教授やメディア関係者らによる有識者専門委員6人が手分けして、70紙の1年分の紙面(24年7月1日付~25年6月30日付)をすべて読み、各紙から自薦された記事を含めたうえで、各委員がベスト10の記事を選出。そのほかの委員が選んだ記事も評価し合い、計32本の記事・連載を第一次審査通過とした。その後、審査員5人による最終審査をもって、授賞者を決めた。なお、有識者専門委員の評価が最も高かった記事に、特別賞を贈る。

最優秀賞に選ばれた東濃新報の連載は、昭和100年の今年、同紙のバックナンバーから1年ずつ、時代を振り返る「昭和年めくりコラム」を掲載。時代や地元、同紙の歴史を象徴するような出来事を紹介している。
審査員を務めた歴史家・作家の加来耕三氏は「地域の出来事が非常にコンパクトに綴られていて、読みやすく面白い連載。紹介する出来事も政治、社会、文化の話題に限定せず、テレビ放送、美濃焼業界、岐阜国体など多岐にわたっていることも興味深い」と、ディスカバー・ジャパン代表取締役の高橋俊宏氏も「昭和100年にかけて、年めくりコラムのアイデアが素晴らしい。思いつきそうで思いつけない企画ではないか。しかもバックナンバーをひきながら紹介できるのは、東濃新報さんの歴史の深さも同時に感じる連載」と、それぞれ高く評価した。
各賞受賞の地域紙の代表や記者、有識者専門委員、審査員らを招いた贈呈式および懇親会を来年1月28日、東京・台東区の東天紅 上野本店で開催する。
第5回の審査員、有識者専門委員は次の通り(敬称略、五十音順)。
▼審査員
加来耕三(歴史家・作家)▽小山薫堂(放送作家・脚本家)▽高橋俊宏(ディスカバー・ジャパン代表取締役)▽山崎まゆみ(温泉エッセイスト)▽横川正紀(ウェルカムグループ代表)
▼有識者専門委員
仙石伸也(元日本新聞協会)▽高橋茂男(元日本テレビ放送網)▽高橋玲嗣(茨城新聞社)▽塚本晴二朗(日本大学教授)▽外山公美(政策マネジメント研究所・理事長)▽本多悟(江戸川大学教授)
