ブロンズ新社は、絵本作家・画家のミロコマチコさん最新刊『島まみれ帳』を、7月17日に発売した。同書は、2019年にミロコさんが奄美大島へ移住してから6年間の暮らしを、34編のイラストとエッセイ、53点の写真でつづった一冊。ブロンズ新社のWeb連載「ミロコあたり」からの抜粋に、描きおろしイラストと写真を加えて構成されている。
ミロコさんは、絵の仕事で多忙を極める日々の中、初めて訪れた奄美大島の空気と自然に魅せられ、2年の助走期間を経て移住を決意。4匹の猫と夫とともに、東京から島へと生活の拠点を移した。当初は、人と触れあわず、自給自足に近い生活を求めていたが、自然と共生し、お互いを思いやって暮らす島人(しまっちゅ)たちとの出会いや集落での行事などを通して、新たに気づき、感じることがあったという。忙しさに追われる都会から離れ、“島にまみれていった”ミロコさんの、濃厚で鮮やかな生活の記録になっている。

自宅前に広がる海(撮影:濱津和貴)
新刊の発売にあたりミロコさんに話を聞いたところ、ふだんあまり本を読まないという島人たちも喜んで手に取っているとのこと。また、書店に向けて「旅や暮らしの本棚もおすすめです!」とメッセージを寄せている。
ミロコさんは、12年に『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で絵本作家としてデビュー。生きものの姿を伸びやかにダイナミックに描く作風が高く評価され、『オレときいろ』(WAVE出版)でブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)金のりんご賞を受賞するなど、絵本賞を次々と受賞。国内外で個展を開催している。15年から月刊誌『味の手帖』の表紙を描きおろし、その絵をセレクトしてまとめた画集『ミロコマチコのごはんめくり』(味の手帖)のほか、多数の著書がある。

ユーモアあふれる文章とイラストで構成されている