朝日新聞出版 『国宝』が累計130万部突破 映画の大ヒットが牽引

2025年8月8日

 朝日新聞出版の『国宝』は、同作を原作とした映画の大ヒットもあり、単行本、文庫、電子版を含めると累計130万部を突破した。

 

文庫『国宝 上下巻(青春篇・花道篇)』

 

 同作は2017年から18年に朝日新聞紙上で連載された吉田修一氏の小説「国宝」を加筆修正したもの。同作を原作とする映画「国宝」は6月の公開から49日間で興行収入71億7000万円、観客動員数510万人を突破という大ヒットになっている。

 

 また、同作は緻密な描写と深い人間ドラマが高く評価され、芸術選奨文部科学大臣賞(18年)、中央公論文芸賞(19年)をダブル受賞。『悪人』などと並ぶ著者の最高傑作との声もある。

 

 朝日新聞グループでは、『国宝』に関連したコンテンツを展開。朝日カルチャーセンターは、8月29日に映画に出演している歌舞伎俳優の四代目中村鴈治郎氏を新宿教室に招いて、プレミアム講座「中村鴈治郎が語る~映画『国宝』から9月新国立劇場「仮名手本忠臣蔵」まで~」を開催。

 

 朝日新聞のデジタル版では著者の吉田氏と監督の李相日氏の大型対談。本に関するコンテンツを配信するサイト「好書好日」では著者と、主演の吉沢亮氏のロングインタビューを掲載している。

 

 朝日新聞出版は『AERA』(6月9日号)の表紙を吉沢さんが飾り、中面では吉田氏との対談も掲載。今後も俳優たちのインタビューを含むミニ特集の掲載を予定している。「AERADIGITAL」に設けた特集ページでは、対談のほか過去に配信した記事も読める。

 

 朝日新聞の連載小説を原作とする映画は、同じ吉田氏の『悪人』(06~07年連載、10年公開)のほか、綿矢りさ氏の『私をくいとめて』(16年連載、20年公開)、沢木耕太郎氏の『春に散る』(15~16年連載、23年公開)がある。