
河本社長(左)と石倉マネジャー
営業・事務・編集 あらゆる職種をトータルにサポート
2024年に創業25年を迎えたトーハン・コンサルティング。出版業界に特化した老舗の人材コンサルタント企業として、人材派遣、営業代行、求人情報、人材育成の4つのサービスを提供している。現在延べ200社の出版社と取引しており、社員17人のうち出版社との取引・窓口を担当するスタッフ6人が、全ての取引先の対応をしている。同社はこれらのサービスを通じて、営業・編集・事務など出版に関わる全職種を取り扱い、人材をキーワードに出版業界の包括的なソリューションを提供できることを強みに事業を展開している。
サイトリニューアルと新しい収益モデル
同社は今年4月から、求人情報サイト「出版ドットコム」を「出版キャリアナビ」と改名し、デザインも大幅にリニューアルした。代表取締役・河本慎司社長は「以前から出版ドットコムの根本的な見直しを図るべきという課題意識が社内にあったが、今年ちょうど25周年を迎えることもあり、出版業界に向けたメッセージとしてサイトのリニューアルを決めた」とその意図を話す。
リニューアルに伴い、これまでの収益モデルも見直し、旧サイトが広告掲載型であったのに対し、新サイトでは成果報酬型に切り替えた。河本社長は「各種経費が高騰する中、出稿の敷居を下げることで、出版社などの掲載社により活用していただく場にしたいという思いがあった。成果報酬額もおそらく他の求人情報サービスよりも各段に安い」と語る。
独自コンテンツとしてキャリアアップ事例を新設し、実際に同サイトを通じて転職に成功した体験談を収録する。また、出版業界未経験者向けのコンテンツとして、出版社、書店、取次会社など各業態別の業務内容やハウツー、業界知識などを紹介するページも設け、出版業界各社と接点が多い会社ならではのコンテンツも充実させる。
さらに、シンプルかつ使いやすいサイトを目指す一方で、雇用形態の検索・抽出機能にはこだわったという。出版業界は求職側も採用側も、多様な雇用形態を希望するケースが多いことから、項目を正社員、契約社員、アルバイト、業務委託、派遣、紹介予定派遣の6種で設けている。
派遣事業が主力で編集職が最多
4つの事業を提供する同社だが、主力事業は人材派遣業だ。派遣したスタッフが派遣先で正規雇用されるケースも増加傾向にあり、出版社からのニーズも高まっている。現在、年間を通じて110から120社との取引があり、流通や営業などの知識、出版社と書店とのネットワークなど、トーハンのグループ会社として得た知見やリソースを活用できる信頼性の高さから、多くの出版社に支持されている。同社営業部人材サービスグループの石倉由香マネジャーは「トーハングループであることから、当社に対する要望のレベルも高く、出版社側も業界知識や商習慣などを熟知していることを前提に依頼される。プレッシャーではあるが、それこそが当社の強み」と話す。
派遣職種は営業事務等が大半を占めるかと思われるが、意外にも編集職が最も多く、出版社への派遣数は営業事務職の約2倍になるという。石倉マネジャーは「創業から25年が経過し、長年にわたる出版社との取引の中で培ったノウハウや用語などの専門知識が蓄積されており、依頼主の要望に合わせて迅速に対応できる体制ができている」と同社に依頼するメリットを語る。
河本社長は「トーハングループは、出版文化を次世代につなげていかなければいけないという使命がある。そのために当社も人をキーワードとし、人材という部分で役割を果たしていきたい」と思いを語った。
【会社概要】
株式会社トーハン・コンサルティング
所在地:東京都新宿区東五軒町6-24
代表者:河本 慎司
資本金:3000万円
コーポレートサイト:https://www.syuppannavi.com/tohan-c
出版キャリアナビ:https://www.syuppannavi.com
TEL:03-3267-8686(代表)